イミグレーションは永遠に |
どうせ急ぐ旅でもないしのんびり行こうね、なんて言いながら記念撮影をしてたりしていたら、イミグレーションの列も一番後ろになってしまった。まあいいや。この飛行機に乗れる人数なんてたかが知れてるしそのうち順番も回ってくるだろう。 機内からは預け荷物が引っ張り出されてくるのだが、その手法といい荷物を載せてるカートと言いラハダトゥのときとまるで一緒。ひーこたちは人力カートを見て大喜びしている。なぜかうちらのスーツケースだけが後部の登場口から引っ張り出されたのはやっぱり異常に重かったからバランスをとったせいかな(^^; そんなのを眺めている間にイミグレーション待ちの列も多少短くなったかと期待したのだが、まだ全然進んでなかった、 覚悟を決めてここは虫でも撮って時間をつぶそう。カメラリュックからD7000と50−500mmを引っ張り出して撮影開始。シジミチョウが飛んでいたのでファイインダーに入れると尾錠突起が良く見える。ソテツシジミの仲間のようだ。後翅のオレンジ斑が良く目立つ。 夢中で撮影していると、空港スタッフの横槍が入った。ここで撮影したらだめなのかと思ったら、うちらが乗ってきた飛行機が再び乗客を乗せて離陸するから危ないと言う事らしい。仕方ないので一度みんなの所に戻り、飛び立つ飛行機を見送る。 気の早い話だが、明後日はうちらもこの便でシンガポールへ発つのか。そう思うとなんだかいきなりさびしい気分になってくる。でもまだ来たばっかりで、イミグレーションさえ通過してないんだけどね。 ここまで来てもイミグレーションの列は一向に短くならない。係りの人はいったい何をやっているんだろう。退屈だから暇つぶしに観光客のパスポート眺めてるんじゃないだろうかって気分になってくる。これじゃうちらはいったいいつになったら空港から出られるのやら・・・ 飛行機の飛び去った滑走路には逃げ水が揺らぎ、セミの声が響くのみ。なんとも気だるい熱帯の午後って感じだ。 あまりに暇なので、再び虫撮りを再開すると側溝のさびた鉄の上にジャノメチョウの仲間が止まっているのを発見。 草の上にはバッタの幼生がいた。目のシマシマが南国っぽいような・・・ 翅を開いたソテツシジミはハッとするくらい綺麗な色をしている。 それでもうちらの番はめぐってこない、永遠に続く夏の日・・・そして永遠に待ち続けるイミグレーション・・・ うちらの前に並んでいた欧米人もウンザリしながら「いったいいつになったら外にでられるんだろうね」と肩をすくめている。かれこれ1時間以上は待ってるんじゃないだろうか。貴重な2泊3日だってのに勿体無いよなあ・・・ 先にイミグレーションを通過したお客さんたちはとっとと各自ホテルに向かったようで、空港の中はがらんとしてしまった。このレダン島、空港から道路沿いに行けるのはうちらの泊まるベルジャヤだけで、後のリゾートは船でアプローチするしかないらしい。みんな今頃は綺麗な海の上をボートで快適にひた走ってるのだと思うとうらやましい・・・ そしてまちくたびれいっそここに住んじゃおうかと思う頃になって、やっとうちらの番が回ってきた。 |