なめちゃいけないジャングルトレッキング
  入り江を越えて向こうの山の所まで砂浜を進むと、こんなところに、というような感じで森の中へ続くトレイルがあった。今までの明るく開けた世界から、急に薄暗い森の中に向かって道は伸びている。どうもここに入るようだ。なんだか急に本格的になってきたぞ。道端の草には今まで見かけなかったチョウが止まっていた。

木の上の方がガサガサいうので見てみると、サルがこっちの様子を伺っている。

 一行はジャングルに分け入り森の中の細い道を歩き始めた。これじゃ本当のジャングルトレッキングだ。
受付の兄ちゃんはビーチサンダルでもOKとか言ってたけど、この荒れた路面でビーサンは厳しいんじゃないか?
せめてクロックスを履いてきていて良かったよ。

 ガイド君にどんな鳥が見られるのか聞くとやっぱり見所はシャーマらしい。
 そんな話をしている側から、森の中に綺麗な鳴き声が響く。シャーマ、アカハラシキチョウだ。
斜面の上のほうでガサゴソ動いている姿をみつけたものの、すぐに飛んでいってしまった。

しかしこんなこれだけ鬱蒼としたジャングルだったらセグロミツユビカワセミくらいいてもおかしくないんじゃないか?
 ガイド君は鳥に関してはあまり頼りにならなそうなので自分で探すしかないけど、もしかして・・・と期待が高まる。

が、しばらく進むと道の傾斜が強くなってきた。
アップダウンも大してないって言ってた受付の兄ちゃん、全然話が違うじゃないか!

 たぶんガイド君はこのコースを通過する事だけが目的なんだろう。まあ「ジャングルトレック」であって「バードウォッチングツアー」じゃないからね。

でも立ち止まって鳥を探す、ということもなく、ひたすらつき進むガイド君に付いていくのは正直ダナンバレーの時よりきついかも・・・しかも森の中は湿気が多くめちゃくちゃ暑くてみんな汗だくだ。この状態、すでに鳥を探している余裕はない。このまま歩き続け、尾根を越えて山の向こう側に出るみたいだ。

 さっきのビーチで既にバテていたたいき、「もう嫌だ」と言い出すんじゃないかと心配したが、汗にまみれ俯き加減になりながらも頑張って付いてくる。まあ僕もプラス12kgほどのロクヨン+三脚を担いで歩いてるんだからたいきも頑張れ!

三脚が肩に食い込んで痛いのを我慢して頑張って上り続けていくと、大木のある広場でガイド君が立ち止まってくれた。
ここで一休みするようだ。良かったよ〜。しかしみんなよく頑張ったなあ。

 ミネラルウォーターを飲んで一息ついていると、谷を挟んだ反対側の斜面にリスがいる、とガイド君が教えてくれた。
 確かに木の間を何かが動いているが、スルスルと動き続けているのでファインダーには入れられない。まあ良いや、疲れたから・・・鳥じゃないしね。

 一方ひーこはトカゲを発見!おお〜、ギザギザしててかっこいいじゃないか。キノボリトカゲよりかなり大きくてトッケーくらいある。モリドラゴンの仲間かな。しかしさすが擬態破りのひーこと言われるだけあるよなあ。ガイド君は気づいてなかったみたいだもんね。リスよかこっちのほうがポイント高いぞ!

一休みしてちょっと元気が戻ったら、尾根までもうあとちょっと頑張ろう!

そのうち「登り切った!」という感慨もないまま道はいつの間にか下りになっていた。どうやら峠は越えたようだ。
あとは下るだけ、と思っていたのだが、その先も谷底まで下って

また登り、

と言う険しい道がつづく。これのどこかお気楽ジャングルウォークなんじゃい。
受付の兄ちゃんはでっかいカメラ持っていっても全然問題ないって言ってたけど、かなりきついぞ。

そんなアップダウンを繰り返しながら高度を下げていくと、道に寄り添うように流れていた小川の
水量がだんだん増えてますますカワセミ系にはもってこいのシチュエーションになってきた。
おお〜こりゃセグロミツユビがいない方がおかしいんじゃないか!?いい感じだ!

そんな風にテンションをあげてがんばるが、やっぱりこの暑さはしんどい。
たいきの手前、僕から休憩しようともいえないので、トンボを撮るふりをしてひと休み(^^;

川の水量はますます増えて行き、暑さはますます激しくなってゆくので
川を渡る時はあえて水の中をジャブジャブ歩くのが気持ちいい。

やがて道の傾斜がゆるくなり、周りの木々の高さも低くなってきたと思ったら突然工事中の道路に出た。
山一つ超えてきたんだ。ひゃ〜疲れたよ〜。ペットボトルの水もあとちょっと。完全になめてたね、ジャングルウォーク

道路の上をハエみたいにヒュンヒュン飛び回っている小さな昆虫はハンミョウだ。日本のに比べるとちょっと地味かも。

道端に止まっているのはまたもやシロオビアゲハ。蝶はこればっかりだな。これは後翅に赤紋が見えるからメスか?

この道からまだ作りかけのリゾートと思われる施設に入ってゆく。

 するとその先はちゃんとしたリゾートホテルだった。

 ガイド君によると、ここからホテルまでボートで帰るようだ。ボートってこの事だったのか。まあさっきの道を歩いて帰るのはもう絶対無理だ。

 ここにはレストランもあるからしばらくのんびりして行けと言われたが、こんな展開全然想像していなかったからみんな一文無し、コーラさえ買えやしない。しかし疲れたねえ。残りのミネラルウォーターを飲みながらしばし木陰のビーチベッドで休憩させてもらった。

 海岸の松の木には人馴れしたリスの姿が見える。さっきのジャングルの中でも何回か見かけたが、
動きがすばやくて全然撮影できなかったのだが、ここではいとも簡単にその全身をじっくり見せてくれる。

湾の上をシロハラウミワシが渡ってゆく。昨日も見た風景だな。

さあ、一休みもしたし喉もカラカラ、おまけに暑くて死にそうだ。
早いところビールも飲みたいので、まだ早いけどもうホテルに帰ろうかな。
ガイド君に話すとOKだというので桟橋へ向かった。

 海はうちらのホテルの周りのほうが綺麗そうだがここのビーチは活気があってボートもたくさん泊まっている。
ホテルも少々カジュアルな感じだしダイバーの姿も目立つ。ここは何件かのホテルが集まっているビーチのようだ。

桟橋の先のほうまで行きホテルに戻るボートに乗り込むと、たいきは「酔う酔う酔う」と大騒ぎだ。船苦手だからねえ。

でもいざボートが走り出したら

風があまりに気持ちよくて船酔いなんてしている余裕はなかったようだ。極楽極楽♪

そして10分ほどであっという間にうちらのホテルに到着。ほんと疲れたなあ。

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