ちょっとは来た甲斐ありました
 「念願の」がナンヨウショウビンとは少々さびしい気もするが、一応念願のナンヨウショウビンが撮れたので目標は達成だ。さっきのハイドの壁面にはカワセミ系の説明があり、ナンヨウショウビン、コウハシショウビン、ヤマショウビン、アオショウビンの絵が描いてあった。このうちヤマショウビンとアオショウビンは「Migrant」って書いてあったから渡り鳥のようだ。この季節は見れないのだろう。となるとあとはコウハシショウビンと普通のカワセミでも見れたら上等かな。

 太陽が昇るに釣れて、気温はどんどん上がってきた。これは暑くなりそうだ・・・

 池とクリークをつなぐ水門の所で何かいないか覗いてみると、マングローブの根元にヨシゴイっぽい鳥がいた。胸の縦筋がはっきりしているのでリュウキュウヨシゴイかな?じっとしていると周りの環境にまぎれてしまいそうだ。そろそろレンズも周りの気温になじんできたようで、結露の度合いは少なくなってきた。

 池を1/4周ほどしたところでさらに奥にいく分かれ道に出くわす。地図によるとこの先はマングローブ地帯になっているようだ。 カワセミ狙いならそっちに行かないわけにはいかないよな。池一周とこの先のマングローブ、ハイドなどの道を含めたコースがルート2。距離は3kmから5kmに伸びるが、それくらいならなんとかなるだろう。

 まず道は森の中に入ってゆく。だんだん日差しも強くなってきたので木陰があるのはありがたい。
 そこからちょっといったところで工事中の小屋に出た。ここがボードウォークが始まる野外教室って所のようだが、そのすぐ後ろの木に、ギャギャギャと鳴きながら大型の鳥が飛んできた。ナンヨウショウビンかな?と思って良く見えそうなところに移動したらなんとコウハシショウビンじゃないか!しかし慌てて三脚を降ろしたとたん森の奥に飛んでいってしまった。残念。でも居る事は居るんだな。期待が持てるかも。

 ここからボードウォークが始まるのだが、ちょっと行くと周りはいい感じのマングローブ地帯になってきた。この時間帯は潮が引いているようで、マングローブの間をチョロチョロと水が流れる程度だが、、潮が満ちてきたらボードウォークの下は水面になるみたいだ。

 手摺の上をレダン島で見たのと同じ種類のリスが走ってゆく。

 時折ショウビン系の声が聞こえてくるボードウォークは森の奥のようだが、所々に休憩所もあり綺麗に整備されているので、ここがジャングルじゃなくてシンガポールだと言う事を改めて思い出す。

 しかし途中何度かナンヨウショウビンやコウライウグイスの声が間近に聞こえたものの、ほとんどシャッターを切るチャンスもなくボードウォークは終了。良い雰囲気だった割には意外と成果がなかったな。

 それと共にマングローブ地帯もおわり、木陰がない乾いた通路に出た。あづい〜。それにロクヨンも重い〜。持ってきた飲み物はダナンバレー以来お気に入りの炭酸入りスポーツドリンク、100PLUSの500mlペットボトル1本だけ。果たしてこれで足りるかな。

 この通路はぐるっと回って最初の淡水池につながっていて、途中3本ほどハイドに行く道が伸びている。その一本目に差し掛かると、やかましい中華系の観光客がわめきながら歩いてきた。こりゃハイドに避難するしかないか。

 ハイドへの道に入ってすぐ現れたのはタイヨウチョウの仲間。キバラタイヨウチョウのメスかと思ったが、虹彩が赤いのでちょっと違う感じがする。なんだろう?(後日検索した結果=チャノドコバシタイヨウチョウ?)

 熱帯の太陽が照りつける灼熱の道をとぼとぼ歩いてやっとたどり着いた最初のハイド。窓から覗くと潮の引いた干潟が広がっていた。冬場ならきっとシギチとかが一杯居るんだろうが、こんな時期だ、鳥の姿はまったくなし。

 そのかわりムツゴロウが沢山いて、時折バシッとジャンプする激しいディスプレイを見せてくれたので骨折り損ではなかったか。ムツゴロウってトビハゼよりでかくて迫力があるし泥の中にコバルトブルーの模様がとっても映えて意外と綺麗だ。これを専門に飼う人もいるらしいけど、たしかに面白そうかも。

 干潟の向こうの森からはナンヨウショウビンの声が聞こえてきたが、遠すぎて姿は見つけられなかった。

 第1ハイドから戻り200mほどで第2ハイドへの分かれ道が現れた。でもこの第2は他のハイドよりも遠くて地図を見ると片道1km位あるようだ。往復で2km、ルート2にこのハイドまでの往復を加えたコースがルート3で、7kmとスンゲイブロウでは最長コースになる。どうしようか、ちょっときついかなあ・・・

 そのときハイドへ向かう道の奥からナンヨウショウビンの「ギャギャギャ」が聞こえてきた。これは行くしかないか。

 こちらが近づくとさらに奥の方へ移動していくナンヨウショウビンの声を追いかけている内に、いつの間にか干潟沿いの道の大半を抜けて干潟の周回を回るサービスロードとの交差点に出た。
 さっきから何度かこの道をトラックが走っているのを見かけたので、もしバテて動けなくなったらここで救助してもらえるな、何て思いながら100PLUSを一口飲む。ぬるくなってるけどとってもうまい。でも貴重な水分、大事に使わなくちゃ。

 その先は森が深くなり、小川が交差する。そこにかかった小さな橋を渡る時、すぐ側の木から青い鳥が飛び立ち、ちょっとはなれたところに止った。あわててレンズを向けるとナンヨウショウビンだ!最初の一羽以来声はすれども姿は見えずだったのでとっても嬉しい。ここまで頑張ってよかったよ。
 しかしナンヨウショウビンでこんなに幸せになれるとはねえ。まあこれはこれで楽しいけど。

 川を渡るとすぐそこがハイド。解説版によるとここは淡水池との事。窓から覗くと池には水草が生い茂り、ホテイアオイが浮かんでいる。雷魚が好きそうな雰囲気だ。

 がさごそと言う音に視線を向けると、ハイドのこちら側にいる僕に気づいたオオトカゲが逃げていく所だった。動かなかったらこっちも気づかなかったのに。雉も鳴かずば撃たれまいってやつだな。

 鳥は何もいない。この暑さじゃしょうがないか。
 来た道を引き返し、橋のところでナンヨウショウビンのもうワンチャンスを狙ったがそう上手くはいかず、チョウが撮れただけだった。リュウキュウムラサキかな?

 サービスロードの所までもどってきて左右を見渡すと両側とも10mくらい先に立ち入り禁止のゲートが置かれている。

 左ゲートの方から聞こえてきたコウライウグイスの声に釣られて近くまで行ってみると、茂みの中に何か鳥っぽいシルエットが見えた。でも全然動く気配がない。もしや!?近づいてみるとそこにいたのはヨタカだった。
 これはちょっとレアなんじゃないか!? 葉っぱに邪魔されて全身は良く見えないけど、薄目を開けてこっちを見ているのが分かる。距離にしてほんの数メートル。擬態に徹しているのか眠たいのか全然動こうともしない。

 良く見てみたら頭の上に蚊が止まっていて刺されてる。鳥も刺されるんだなあ。
普段餌として食べられてる蚊が仕返ししているようでなんか笑ってしまう(^^;
しかし刺されてても首さえ振らないのはやっぱ擬態のため?それとも鳥はカユさを感じないのだろうか?
 

 ナンヨウショウビンもヨタカも見れたし、プラス2km歩いた甲斐があったな。お陰ですっかり元気も復活だ。
 それじゃこの調子で次のハイドにも行ってみよう!と張り切って向かった第3ハイドにはコサギがいただけだった・・・

 第3ハイドから通路に戻るともう9時だ。そろそろ観光客も増えてきたようで、こんな道でも結構頻繁に人とすれ違うようになってきた。それに太陽はますます高く、さらに暑くなり、これじゃ鳥もどこかに隠れてしまうだろう。

 そんな中、水際の木陰に何かが動くのが目に入った。しばらくそこで待っていると、葉っぱの隙間からチラッと顔を出したのはコアオバト。こいつだったのか。綺麗なオレンジ色の胸も見えるが全身は葉っぱに隠れている。

 モゾモゾしているのでそのうち良く見えるところに出てきてくれるかも、とおもったら、怒鳴り散らすように会話する中華系の観光客がやってきて、コアオバトは木の奥に引っ込んでしまった。まったく、おしゃべりしたいならわざわざこんなところまで来なくてもいいのに・・・

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