スンゲイブロウ完全制覇
 まあ気を取り直してもう一頑張りだ。自分の足で歩く意外前に進む方法はないんだから!

 歩き出してすぐハイドがあったので、日避け休憩をかねて逃げ込むと、結構近いところからナンヨウショウビンの声が聞こえてきた。たまたま居合わせた、小さい子供を連れたドイツ人一家と一緒に声の主を探すと、ドイツ母さんが「あそこに青い鳥がいる!」とナンヨウショウビンを見つけてくれた。

 しかしどうやっても頭に枝がかぶってしまい、まともには撮れない位置だ。距離も遠いし諦めよう。
 ドイツ人一家には小さい子供もいたので、ナンヨウショウビンをファインダーに入れて覗かせてあげると大喜び。お母さんと奪い合いながら一生懸命眺めていた。

 ドイツ父さんはD700にVRの80−200mmを付けて撮影していたのだが、ロクヨンでこれだから200mmじゃ点だよなあ。と思い、「良かったらこのレンズで試して見ます?」とロクヨンを差し出すと、喜んでボディーをD700に付け替えて気合を入れてシャッターを切っていた。
 そのあとしばらく喋ったのだが、この父さん中々のカメラ好きらしく、「このレンズは何処で買ったの?B&Hか。今は円高だから輸入したほうが安いからね」なんて良くわかってらっしゃる(^^)

 ここでのんびりして大分体力も回復したので、ハイドを出て先に進む。池のこちら側はクリークに張り出したデッキが数箇所設置されていて、そこから川が良く見えるようになっている。道からはすぐなので片っ端から覗いてみるが、水辺で涼んでいる人、バードウォッチャーの親子、うるさい中華系、色々な人が思い思いに過ごしていた。

 あるおじさんが僕のレンズを見て「クロコダイルは撮ったか?」と聞いてきた。こんなとこにワニはいないでしょ?確かにワニの絵が描いてある看板はあちこちで見たけど。なので「クロコダイルみたいなトカゲは見たよ!」というと、「そうか、クロコダイルは見てないか・・・」と残念そう。ほんとにいるのかな?

 対岸の木の上ではコウライウグイスが囀っていたが、D7000にロクヨン+1.4Xでもまだ遠かった。

 最後のデッキまで来たところでさっきのドイツ人一家と再会。オオトカゲが下を歩いているよ、と教えてくれたが、こいつは今日一番の大物だ。かなりでかくて1.5mくらいはあったかも。
 

 ここでドイツ一家の子供に色々質問されたのだが、まともに答えらなかったのは後味が悪かった。
多分英語でお話してくれていたのだと思うのだが良く聞き取れず、よこからお母さんに助け舟を出してもらったのだ。
 もしかして「ボクの英語はへたなのかな」なんて思ってたらかわいそうだ。君の英語が下手なんじゃなくて、僕の英語力がないだけだからね。しかし今回は色々英語に悩まされるなあ・・・

 デッキをあとにしてちょっと行くと来る時通った最初のハイドまで到着。やっとここまで戻ってきたよ〜

 そして橋を渡るとビジターセンターが見えてきた。あとはタクシーに乗って帰るだけ。ほっとする。

 ビジターセンターの日陰に入り、とりあえずは機材を置いてひと休みだ。あ〜背中が痛い〜
 冷水機があったのでつめたい水で顔を洗うと生き返ったような気分だ。

その横には池があって「オオトカゲが住んでいます」なんて書いてある。

 まさかこんなところにはいないだろうと高をくくっていたら、水面に浮かぶオオトカゲの顔発見。暑いから水の中に隠れてたんだな。疑ってすまなかった。

 一息ついて気持ちに余裕が出てくると、ここまま帰るのもちょっと物足りない気がしてきた。ナンヨウショウビンもコウライウグイスももうちょっと撮りたいし、まだコウハシショウビンなんてファインダーにも入れいていないからな。
 時計を見ると時間は12時半。きっとたいきたちはユニバーサルスタジオ真っ只中だろうから、今ホテルに戻っても一人で暇だしなあ。

 このビジターセンターの横にはマングローブ遊歩道という500mほどのボードウォークがあるようだ。それくらいならまだ頑張れるかもしれない。それじゃ最期の力を振り絞ってもう一頑張りしてみようか。

 再びカメラを担ぐと木陰で涼しいビジターセンターをあとにしてボードウォークを歩き出す。こちらは人も少なくて良い感じだ。

 しばらく行くとクリークに何かが飛び込む水音が聞こえた。見てみると岸辺の木にナンヨウショウビンが止まっている!

 距離は近かったものの、枝かぶり、葉っぱかぶりが激しくてまともに撮れず、どこか抜ける場所はないかと右往左往していると、今度は反対側の木の上からコウライウグイスの囀りが聞こえてきたので、ナンヨウショウビンは置いておいてそちらを探すことにした。
 しかし大体いる辺りは分かるのだが、姿となると全然見つけられない。あんな派手な黄色なのにこういうところでは結構保護色なんだろうか。

 そうこうしている内に目の前にタイヨウチョウの仲間が飛んできて、羽繕いをはじめたのでコウライウグイスも諦めてそっちに注目する。

 最初ムラサキタイヨウチョウかと思ったのだが、尾羽が長くてスマートな体型はレダン島でいっぱい見てきたムラサキタイヨウチョウのそれとは違う。

 一度もこちらを向いてくれなかったのでお腹がはっきり見えなかったのが辛い所だが、羽繕い中にちらっと見た感じだと黒かった。さらにわき腹に黄色いパッジが見える。多分クリムネタイヨウチョウだろう。
 

近くでじっくり見るとメタリックな色がきらきらと色々な色に変化してとても綺麗だった。

 歩き出したばかりでナンヨウショウビンにコウライウグイス、クリムネタイヨウチョウが続けざまに出て来るとは、こちらの方がさっきさ迷っていた公園のメインパートよりも鳥は濃そうだ。後で聞いた話だと、RICKさんたちがヤマショウビンを撮ったのもこっちだったみたい。無駄な苦労をしてしまったのか・・・

 クリムネタイヨウチョウポイントを過ぎるとすぐに東屋に到着。インド系のおばちゃんが一人いるだけだったので挨拶をして一休みしていると、後ろからラジカセの音楽をがんがん鳴らし大荷物を持った団体がやってきた。おばちゃんの知り合いのようで、どうやらこの東屋で宴会をするらしい(^^;

 これじゃたまらないので慌てて先に進んだ。しかしやっぱ疲れてるなあ。ちょっと歩くとすぐバテて来るし三脚が擦れて肩がヒリヒリするからなんだか担ぐのが嫌になってくる。

 時折聞こえるナンヨウショウビンの「ギャギャギャ」に励まされながら進んでいくと周りが開けてきた。海沿いに干潟が広がり、その度所々にマングローブがポツポツと生えている明るい雰囲気の場所に出たのだ。ここには2箇所の東屋がある。

 手前の東屋では地元と思われる親子が双眼鏡を覗いていた。何かいるのかな、と思って干潟を眺めたが鳥はいなかったので先に進んだが、奥の東屋まで着いたときにはもう体力は限界。ここでしばらく大休止しないともうダメだ〜

 東屋のベンチにへたり込み、しばらくボーっとして風に吹かれていると、近くからナンヨウショウビンの声が聞こえてきた。どれどれ、とカメラを持って立ち上がり、声のする方によろよろと歩いていくと、良い感じのところにナンヨウショウビンが止まっていたのでウハウハで撮影。良かった〜これでナンヨウショウビンはなんとか納得できたよ。頑張った甲斐があったなあ。

 さらに近くの木からはコウライウグイスの声が聞こえてきた。今度は見つけられますように!と必死で探すと、やっとその姿を発見!
 シンガポールでは普通種のようだが、今まで各地で何度も見かけてはいたものの、中々大きく撮れるチャンスがなかったので、僕としてはうれしい一枚となった。

 この東屋はいながらにして色々撮れて大当たりだった。普通種メグロヒヨドリもちゃんと撮らなきゃ。なんせ今回は鳥に恵まれてないからな。

 東屋でゆっくり休んだおかげでビジターセンターに戻るくらいの元気も回復した。それじゃ出発するか、と歩き出すと、再び近距離でコウライウグイスと遭遇。

 コウハシショウビンは見れなかったけど、これだけ撮れたから一応満足か。

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