旅の人、助けておくれ〜
  さっきのコウライウグイスを最後に鳥の姿は見られなくなったが、ビジターセンターまではあと200mくらい、もう一頑張りだ。

 途中にあった鳥の巣のような藪は竹の群生。四方八方に向かってボウボウに生えているのがなんとも熱帯らしい。

 そして再びビシターセンターに戻ってきて今日の鳥撮りはこれで終了だ。疲れたよ〜 結局パンフレットに乗っていたコースすべて制覇しちゃったもんな。なんだかんだで8km近く歩いたろう。
 まさかシンガポールでダナンバレーより全然ハードな鳥撮りをするとは思わなかった。でもナンヨウショウビンに会えただけでも良かったよ。今回の遠征でナンヨウショウビンの株はちょっと上がったかも。

 しばらくベンチに座って休憩してからロクヨンを三脚から外し、フードとボディーも取ってカメラリュックにしまう。そういえばキゴシタイヨウチョウは今朝のワンチャンスだけだったな。惜しい事をした。明日の朝、キゴシ狙いでちょっとだけ植物園にでも行ってみようか・・・

 三脚も縮めて後は帰るだけ。さあ、ここからが問題だ。帰りのタクシーってのはまず回ってこないから、電話で呼ばなきゃならないらしい。RICKさんたちの時は受付の人に頼んだら「僕が電話するの?」って感じながら電話をしてくれたらしい。でも本来は自分で電話するようなのだ。ここはボケたふりをして受付の人に電話してもらうしかないか・・・

 意を決して受付に行き、「タクシーを呼んで欲しいんですが」と言うと、受付の兄ちゃんは壁を指差し「あれがタクシー会社の電話番号だから」・・・とそれっきり。ちょっとまって、電話持ってないんだけど・・・と食い下がると、逆の壁面を指差し「電話はあそこ」・・・なんか取り付く島もない。

 たしかにそこに公衆電話あるけど、今回の遠征ではすっかり英語力に自信をなくしてしまっている今の僕にはタクシー会社に電話してここまで来てもらうなんてハードル高すぎる〜 どうしようか・・・参った・・・

 ほとほと困り果てていると、受付の片隅から日本語の会話が聞こえてきた! そっちを見ると2人組の若者が携帯片手になにやら手配中。なんとも慣れた感じだ。もしや彼らは救世主!これはおすがりするしかないか・・・

 そこで「あの〜、日本人の方ですか?」と声をかけると「そうですよ」と気さくな感じの返事が返ってきた。よかったよ〜
 「実はタクシーのよび方が良くわからないんです。」と言うと、「僕らも今タクシー会社に電話してる所なんです、市内だったら一緒に乗ってきますか?」おお〜なんていい人達なんだろう。もう泣けてきそうだよ。

 ただ、今色々電話しているんだけど、中々空車を回してくれる所がつかまらないんだそうだ。そんな状況じゃ僕が電話してたら絶対帰れなかったに違いない。いや〜ほんと、あなた達がいてくれて助かったよ〜

 彼らは旅人A君、B君。A君は仕事でシンガポールに赴任していて、そこに日本からB君が遊びに来てるんだそうだ。
 見たところまだ30歳前だってのにシンガポールで働いているなんてかなり優秀なんだろう。

 しかしA君が片っ端からタクシー会社に電話してくれたものの、結局タクシーはつかまらなかった。

 「これはグランジの駅までバスで行くしかないですね。駅まで行けばタクシーがあるでしょうしMRTでも帰れますから」OK!Aくん!グランジが何処だか良くわからないけどどこまででも付いて行くよ〜

 しかし二人もスンゲイブロウは初めてだったそうで、何処がバス停だか分からない。とりあえず大通りまで出てみようか、とみんなで歩いていく。3人だったら心強いよなあ。いやあ、彼らに会えてほんとに良かった。

 スンゲイブロウの駐車場のアクセス道路から大通りに出ると、バス停らしき所で大勢の人々が待っていた。
時刻表を見るともうすぐバスが来るようだ。

 Aくんが「XXXカード持ってますか?」と聞くので「何のこと?」と聞くと、シンガポールでバスに乗るときはパスモ見たいなプリペードカードがいるらしい。A君は「それじゃこれ使ってください」と予備のXXXカードを貸してくれた。なんていい人なんだ。ほんとにどうもありがとう〜。そんなの全然知らなかったし、海外で路線バス乗るのなんて初めてだから、一人だったらどうしていいかわかんなかったよ。これでなんとか生きて帰れそうだ。

 そのあとB君が「なんかでっかい鳥がいますよ」と教えてくれたので、なんだろ?と思って見てみるとカササギサイチョウじゃないか!シンガポールにサイチョウがいるなんて思ってなかったからちょっとびっくりだ。サイチョウまで撮れて今回の満足度はますますアップだ。Bくんありがとう!

 天気は下り坂のようで空には見る見る黒い雲が広がってきて、遠くで雷も鳴り出した。良いタイミングで引き上げてきたようだ。やがてバスが到着。中は結構満員だか久しぶりのクーラーにうっとりしてしまう。

 そして10分ほどで駅に到着。A君に借りたXXXカードで支払いをしてバスを降りると、絶妙のタイミングで土砂降りの雨が降りだした。ここからはMRTでも帰れるが、もう疲れちゃったからみんなでタクシーに乗っていこうと言う事になる。
バス代を受けとろうとしないA君にせめてものお礼で帰りのタクシー代は僕が持たせてもらう事にした。

 土砂降りの中タクシーに乗り込み一路市内を目指す。タクシーの中では二人と色々おしゃべりをしてたら、あっという間に市内に到着。まずA君が住んでいるマンション(ホテル並みの立派さだ)に寄って二人を降ろす。

 旅人A君B君、二人ともほんとにありがとう。すっごく助かったし短い間だったけどとっても楽しかったよ〜。あと、最後に撮った写真、SS間違えてこんなになっちまった。申し訳ないっす(^^;

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