充実の朝撮り
 エコレイクを離れようとすると池畔の木の上を金属的な声で鳴きながら飛び回っている非常に小さい鳥の姿が目に入った。こいつもズアカサイホウチョウと負けないくらいちょこまか動き回りじっとしていない。それに樹冠あたりを移動していくので逆光になり色が良くわからず謎の鳥で終わってしまいそうだったが、一瞬低い所に降りてきてくれたとき鮮やかな背中の赤が見えてセアカハナドリと判明。もうちょっと粘って順光の背中を撮りたかったが、撤収予定時刻まであと1時間ほどしかなかったので、諦めてエコレイクを離れた。

 地図を見ながらヘリコニアガーデンのあるシンフォニーレイクを目指し歩き始めるが、植物園の中は結構アップダウンが多い。楽をしようと思ってできるだけ平坦な道を探したのだが、そのせいで変な所に行ってしまい、かえって大回りすることになってしまった。昨日の疲れもまだ残っていて足が辛い。

 そしてやっとたどり着いたシンフォニーレイクでまず見かけたのはミドリカラスモドキ。レダン島で見たのは幼鳥でこちらは成鳥だ。群れでやかましく鳴いていた。

 ヘリコニアガーデンに着くころには空に黒い雲が広がりだした。今朝見た入道雲が覆いかぶさってきたようだ。
 曇り空の下のヘリコニアには、一見した所タイヨウチョウ系の姿は見えなかった。前に来た時もあまりこれと言った成果はなかったんだよな。RICKさんたちがばっちり撮ってたキゴシタイヨウチョウ、今回もダメかなあ・・・

 10分ほどヘリコニアの間を歩き回っていると、電柱の上から甲高い鳥の声が聞こえてきた。見てみるとやっとキゴシタイヨウチョウ登場だ!でも電柱止まりってのは意外だった。めちゃくちゃ鮮やかな色してるなあ。
 そのまま待っているとキゴシタイヨウチョウは電柱から降りてきて・・・

 ヘリコニアの群生の中に飛び込み、花から花へと飛び移りながら蜜を吸いだした!真っ赤なキゴシタイヨウチョウに派手なヘリコニア、まさに熱帯という感じの取り合わせに夢中でシャッターを切る。これが撮りたかったんだ!

 たっぷりシャッターを切って大満足していると、ついにポツポツと雨が降りだした。空を見ると真っ暗で、雷鳴も聞こえてきた。 やばそうだなあ。そろそろ引き上げようか。

 そう思ってふとステージを見ると、変な体操をしているおばちゃんたちを眺めるように嘴の長い鳥が止まっている。
 んん?そのままレンズを向けると体操おばちゃんを盗撮してると疑われそうなポジションなので、ちょっと立ち位置をずらしてカメラを構えた。

 ファインダーを覗くとそこにいたのはアオショウビン。こんな所にもいたのか。しかしさすが公園アオショウビン、人馴れしていて、変な体操にも全然動じる気配がない。本当におばちゃんたちを眺めているようだ。

 雨が次第に強くなる中しばらく頑張って撮っていると、おばちゃんたちも体操を終了。撤収するようでこっちに歩いてきた。

 ここは怪しまれないようにアオショウビンを撮っていたってのを説明しないと、と思い、おはようございますと話しかける。あそこにいるキングフィッシャーを撮ってたんだ、と言うと、「あの鳥なら毎朝体操をしていると見に来るのよ」と笑いながら話してくれた。この様子なら疑いも晴れたかな(^^;

 さあ、それじゃ本格的に撤収しなくちゃ。本降りになったら大変だ。 シンフォニーレイクをあとにして早足でビシターセンターを目指す。

 「ポツポツ」から「ザー」になってきた雨は、ビジターセンターの庇の下に入ったとたん。バケツをひっくり返したような「ドーーーー!」という豪雨に変わった。危機一髪だったな。

 さて、ここからはまたタクシーが問題だ。昨日みたいな事になったら厄介だよなあ。と心配しながらエントランスの所に行くと、丁度お客さんを下ろしたタクシーがいたのですかさず乗り込み、今回は無事ホテルに帰ることができた。

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