イーストコーストでサイクリング
 シンガポール遠征も残す事今日一日。明日は早朝の便で帰国するので遊べるのも今日いっぱいだ。さて何をしよう。

 昨日は単独行動させてもらったので、今日はだまってみんなに付いて行くつもりだが、たいきはさっき以来またお腹の調子が良くない様なので、あまりハードな事はしたくなさそうだ。

 ひーこはイーストコーストパークに行って見たいという。チャンギ空港から街中に来る途中通る海岸沿いのあたりだね。
あそこらへんが最近注目を浴びていて、サイクリングも出来るし例のジャンボシーフードの支店をはじめ、色々と面白いシーフードレストランが出来ているらしい。それじゃ行ってみようか。

 ホテルの前で乗りこんだタクシーの運転手さんは元気なおばちゃんで、イーストコーストパークに着くと「帰りはきっとタクシーが捉まえられないと思うからここに電話してくれたら迎えに来るわよ」とメモを渡してくれた。僕も昨日身にしみて感じていたので、おばちゃんが営業で言ってるんじゃないことは分かる。メモは失くさないように大事にしまっておこう。

 さあ、それじゃビーチに行ってみようか。お〜南の島の海だ。ひさしぶりだねえ・・・って、良く考えたら3日前までもっと綺麗な海のレダン島にいたんだった。

 ここは海岸に沿ってずーっと公園が繋がっていて、その距離はトータルで8.5km。歩きじゃとても回り切れない。まずはレンタサイクル屋を探すため歩き出す。

 ビーチ沿いの整備された道は歩き用とサイクリングロードに分かれている。海岸沿いの手摺にはチョウショウバトとスズメが止まっていた。

 海には沢山の船が浮かんでいてさすがシンガポールって感じ。天気が良ければ気持ちいいのだろうけど、生憎の曇り空からは今にも雨が降ってきそうだ。でもお陰で暑さは感じない。

 しばらく歩いていくと、コテージタイプのリゾートホテルの壁に「レンタサイクル」の看板があった。ここで借りられるかな?と思い裏口から入ろうとすると、中から派手な青い服を着たインド人のおじさんが出てきて「ここには自転車はないよ」と言う。係りの人かと思ったら彼もお客さんで、自転車を借りようと中まで入っていったのだが誰もいなかったそうだ。

 そのまま成り行きで一緒にレンタサイクル屋を探す事になり、色々おしゃべりしながら歩き出したのだが、このおじちゃんがまたおしゃべりで大変だった。
 こっちの言ってることなんか聞きやしないでひたすら自分のこと、自分の息子が外交官でシンガポールに赴任してること、10日ほど遊びに来ていてこのそばのホテルに泊まってる事などひたすらしゃべり倒してる(^^;まあ陽気なおじちゃんではあるからいいけどね。

 そして500mほど歩いたところでレンタサイクル屋を発見。受付では僕が代表して手続きをしたが、保証金がわりに免許証を預かると言う。日本の免許しかないよ、というとそれでも良いそうだ。どうしようか迷ったが、この施設は国営みたいなので変なこともされないだろうと思い免許を渡した。3時間までは基本料金で、それ以降は延長料金がかかるらしい。今12時半だから、3時半までに帰ってくればいいんだな。

 一方インドのおじちゃんの方はパスポートを振り回しなにやらもめている。きっともめるのが好きなんだろう、なんだか生き生きして見える(^^;
 なのでおじちゃんはほうっておいて自分らの自転車を借りに行った。貸してくれるのはマウンテンバイクタイプで、ギアも付いているので乗りやすい。ただタイヤがフニャフニャだったので空気を入れなおしてもらった。

 そうこうしているうちにおじちゃんも受付を通過して文句を言いながら自転車を借り受けると「それじゃ出発!」といつの間にか隊長になって走り出した。これじゃ今日一日おじちゃんに付き合う羽目になりそうだ。
 

 しかし走り出してすぐ雨が本降りになってきた。降りはかなりのもので、斜めがけにしているD7000と50−500mmが心配になってきた。おじさんは熱帯育ちのせいか雨などものともせず鼻歌交じりで走っていくが、うちらは近くにあった東屋に避難。おじさんごめんよ、でも振り返りもせず突き進んでいくあんたもいけないよ。

こうしておじさん部隊から独立したOTAR家は雨が弱まるまでしばらくここで休憩していく事にする

 すると近くの木の上から綺麗な鳥の声が聞こえてきた。この声はコウライウグイスだ。どこに居るのかな?と東屋から顔を出して姿を探すと、すぐそこに止まっていた。しかしコウライウグイスの癖に黒い眼過線がない。警戒心も少ないので幼鳥だろう。とてもいい所に止まっていてくれて、今までのコウライウグイスの苦労は何だったんだろうって感じだ。多少重たい思いをして50−500mmを持ってきた甲斐があった(^^)

 しばらくすると雨も小降りになってきたしインドおじさんも遠くまで行ってしまったろうという事で再び出発。アップダウンのないサイクリングロードはとっても快適だ。

 海に流れ込んでいる川を渡る時、河口の手摺に止まっているカワセミ系のシルエットが目に入った。自転車を止めて近寄ってみるとナンヨウショウビンだ。

 ナンヨウショウビンは海に飛び込んで頻繁にハゼを捕っていた。しかしこんな所にもナンヨウショウビンがいるなんて、さすがシンガポール。鳥撮りは今朝の植物園で終わりだと思っていたけど、ここも結構期待できるかも。

 ナンヨウショウビンを満喫したあとは昼ごはん。シーフードを目指してジャンボに行ってみたのだが、営業は夜からのようでまだやっていなかった。残念・・・しかしこれで冷静になりよく考えたら朝ごはんを食べたのはついさっき。あまりお腹は減ってないんだよなあ。それに明日が早いので晩ご飯は早めにたべておきたい。となるとあまり昼ご飯をガッツリ食べるのも考え物だ。

 それでは、ということでもうちょっと先にあるホーカーズに行く事にする。ここなら軽いつまみでビールを一杯ってのができるからね。

 砂浜に座席がすらっと並んだホーカーズには色々なお店が出ていて見ているだけで楽しい。

しかしさすがのたいきもお腹の調子が悪いらしく、あれこれ食べてたいとは言い出さなかった。

 どのメニューも割りとガッツリ系で今のうちらには少々荷が重い。

 そんな中、笹で何かを包んで焼いている屋台があったので興味津々で覗いていると、お店のおばちゃんが一つどうかと声をかけてきた。中に何が挟んであるのか聞くとイカのすり身らしい。ということは笹カマみたいなもんかな。
 それじゃ一つと注文すると、おばちゃんはたいきを見て「子供には辛いかもしれないからこれも付けておくよ」と白身魚の練り物が挟んであるやつもつけてくれた。ありがとう〜〜〜

 店のおじさんが笹ごと火にかけると香ばしい匂いが漂ってくる。ある程度焼けたら出来上がりだ。
 これとタイガーのラージ、それにたいきのジュースを買って席に着き、軽い昼食にする。

 さてどんなのだろう?と笹を空けてみるとこんな感じ、これをスプーンや箸で笹からこそげ落として食べるのだが、どちらもなんとなくなじみのある味というか予想通りの練り物の味で中々美味しい。イカの方はスパイシーでチョイ辛、所々ゲソも混じっている。魚の方はほとんど笹カマと変わらない。

 ビールもすすんで中々いい昼ごはんだった。たいきはちょっと物足りなさそうだが、今日はこんな所でやめておきな。
 大体これを食べてる最中にもお腹が緩くなりトイレに行ったのだ。ほんと、いい加減懲りような(^^;

 さっきまではまだ時折小雨がぱらつく天気だったが、食後は天気も大分良くなってきたので再び自転車で走り出す。

 海上には不法入国者を取り締まるのだろうか、軍用っぽいモスグリーンの小型船が何隻も浮いていた。ここは国境なんだなあと改めて感じる光景だ。

 ホーカーズを出てちょっと行くと、沖へ向かって伸びる桟橋があったので寄って見る。

 この桟橋は釣りポイントのようで、地元の人がいっぱい竿を出していた。みんなブッコミ釣りのようだが、何が釣れるんだろう。さっきナンヨウショウビンがはぜを捕っていたから少なくともハゼくらいは居るんだろうが、一見若洲海浜公園のようなこの場所も赤道直下の熱帯真っ只中だから、意外な大物かかかるのかもしれない。

 先端に着くと遠くにマリーナベイサンズが見えたので、それをバックに記念撮影。

 そこら辺においてあった釣り人のものと思われる発砲スチロースのフタが開いていたので覗いてみると、中に入っていたのは餌の冷凍イワシ。みんな意外は大物を狙っているようだ。今度来る時にはうちらも釣り道具を持ってこようっと。

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