タネコマラストチャンス |
八丈島最終日、今日もいい天気だ。外に出ると丁度朝日が昇るところだった。 今日はチェックアウトが10時なので、8時半には帰ってこなくちゃならないという恒例チェックアウト縛りの日。 林道につくと今日も方々からタネコマの声が聞こえてくる。やっぱり昨日の林道よりこっちの方が密度が高いよなあ。 横の木には何か実がなっているのかヒヨドリがいっぱい集まっている。その中に一羽毛色の違う鳥が混じっているのを見つけファインダーに入れてみると、アカハラみたいだけれどお腹のオレンジが濃くみえた。アカコッコのメスだろうか? さらにヒンカラの声にあわせ、藪の奥に動きが見えた。これは姿を拝めるかも!と緊張が高まる。そしてその直後、隣の竹やぶに一瞬だけタネコマが現れた!ほんの一瞬でピントを合わせる間もなくシャッターを切る。 しかしこのときはこれでおしまい。すぐに藪の奥に入ってしまい、以降はさえずりが聞こえるだけになってしまった。やっぱりタネコマは難易度が高いなあ・・・ その後一昨日と同じ林道の突き当たりに車を止め、迷彩ネットをかぶって川を渡り古い林道を歩き始める。 今日もイイジマムシクイがとってもにぎやか、そこら中を飛び交っていた。 羽をフルフル震わせているのもいるが求愛のディスプレイだろうか、それとも巣立ち雛が餌を狙っているのかな? やがて今まで上流の方からタネコマのさえずりが聞こえてきた。一昨日ここに来て一番最初に遭遇した辺りだ。 声はすぐそこで聞こえるのだが、今度もやっぱりどこで鳴いているのかわからない。 いい感じだ!でもちょっと遠い!これはテレコンを入れねばと思い、ポケットから慌ててテレコンを取り出す。 でもまあ枝で囀るタネコマが撮れただけでもよかったか。 ここで時刻は既に7時をまわってしまった。時間の割りに成果はイマイチだけど昨日よりはマシか。 残り時間はあと1時間半、そろそろ植物園に移動した方が良いかと思い引き上げようとすると、川沿いの藪からタネコマの大きな囀り声が聞こえてきた。こりゃもうちょっと粘らなきゃなんないか!? 今度も声はすぐそばから聞こえる。がどこにいるかは全然わからない。ここで考えてみたのだが、ここから見えないということは葉っぱの向こう側にいるって事だよな。となれば川の対岸から見ればタネコマの姿が見えるんじゃないか? そう思って一度上流に戻って川を渡り、声の聞こえる辺りまで降りてくると囀りはまだ聞こえていた。さあどこからでも出てきなさい!とカメラを構えじっと待っていると、藪の中から落っこちるように現れたタネコマが一瞬横倒しになった竹に止まってくれた! やっぱりこっちからなら見えたんだ。でもそれはほんとに一瞬で撮れたのはブレブレの証拠写真だけ。距離はメチャ近かったんだけどなあ。 その後もしばらく粘ってみたが、再びタネコマが出て来てくれる事はなかったのであった。
さあ、時間も押してきたから急いで植物園に向わなくては。 今回はアカコッコを集中的に狙うため、この前レンジャーさんがアカコッコを撮るならここ!と教えてくれたキョンのいる広場の方に車を止めて植物園に入る。しかし今日はツグミ系の姿が全然見当たらない。今朝はあれだけ沢山鳴いてたってのにほんとにどうしたんだろう?と思いつつ耳を澄ますと遠くから「キョロン ジ〜」がきこえてきた。今朝はもうこの声を頼って行くしかないと思い、声のするほうに向かって森の中を歩き出した。鬱蒼とした木々の間の細道を歩いていくと、ちょっとした広場のような所に出た。すると、前方の地面に大型の鳥が佇んでいるのが目に入った。あれはもしや! とカメラを構え見てみると、やっぱり!レンジャーさんから教えてもらい、一昨日ちょっとだけ見かけたミゾゴイだ! 体の模様からするとまだ成鳥にはなっていないようだ。ミゾゴイはこちらに気付くと振り返り、お腹の縞模様を見せるようにして首を伸ばした。もしかして擬態しようとしているのか?でもこの環境じゃ目立ちまくりだぞ〜 でも見たいと思っていたミゾゴイに会えて植物園に来た甲斐があったよ。 |