プーケットファンタシーへ

 その後ぐっすり眠ってしまい、結局目夕方になってひーこに起こされる。なんだか半日もったいなかったなあ・・・
 
 シャワーも浴びずに寝てしまったので風呂に入りなおしたら、もう夜の部の集合時間が間近に迫っていた。

 今晩は5時にフロントに集合してプーケットファンタシーというショーを見に行く事になっている。目的地までは車で30分ほどだそうだ。到着したらまず晩ご飯を食べて、それからショーを見るようだが、まだ全然お腹へってないし、ねむたくてしょうがない。このまま僕だけ離脱してゴロゴロしていたい気分だよ・・・

 ボーっとしたままフロントへ行き、既にみんなが乗っていたワンボックスカーに乗り込むと、A家だけはべつの車になったらしい。何でだろうね、なんていいながら席に着くとスタッフがやってきて、ORAT家も別の車に乗れと言われた。乗れるんだからこのままでいいじゃん、と思いつつも釈然としないままそちらの車に行くと、すでに欧米人の一家が乗っていた。ここでもうしばらく待っていろというので半分眠りながら座っていると、みんなの乗った車はとっとと出発してしまった。

 さらに待つ事数分、なんだかお腹がギュルギュルしてきたぞ・・・昨日からの暴飲暴食がたたったのだろうか。このまま30分我慢できる自信もないのでトイレに行って用を足していると、ひーこがもう出発するよ〜と迎えに来た。しょうがない、志半ばだが出るしかないか。

 まだスッキリせず、いつ第2波が襲ってくるかと戦々恐々としながら車に乗り込むとすぐに出発。さっきの欧米人以外に新たな家族が増えてるわけじゃないのに何を待ってたのだろうか?まあトイレに行けたから良かったけど。

 昨日と同じ混雑気味の峠道を抜けパトンビーチに降りると今日も大混雑だ。その中をのろのろと進んだ後、車は一軒のホテルの前で停車。ここでもう一組のお客さんを拾う。こういう事だったんだな。その後さらにもう一軒寄ってお客を乗せると車は満杯になった。こういう混載車に乗るの、久しぶりだなあ。
 しかしこうなると、途中でトイレに行きたくなってもおいそれとは止めてもらえなさそう・・・激しく不安だ。

 そしてパトンビーチを離れてすぐ、その不安は現実となってしまった・・・

 急遽襲ってきた腹痛、「最初は気のせいだ」と自分に言い聞かせていたのだが、もよおし感はどんどん強くなってきた。
 時計を見るとホテルを出て20分が経過していた。がパトンビーチを出てからはまだ5分ほど。きっと30分ってのは最終のピックアップ地点からだろうから、まだまだ30分近くはかかるだろう、どうしよう・・・この窮状をひーこに訴えるが「我慢しなっ!」と一括されただけ。う〜辛いよ〜

 とりあえず目をつぶり寝たふりをするが、便意はそんなのにはだまされてくれない。それでは呼吸法で・・・ってそんなの知らないしなあ。やばいもう限界かも〜、ここは車を止めてもらって、旅の恥は掻き捨てってことでいっそ路肩で・・・

 と、ここでひらめいた!痛みには痛みをだ。とっさにモモを思いっきりつねるとなんだか便意が薄らいだ気がするそ。これはいけるかも!

 結局そのあとはモモをつねり続け、呼吸は浅く、できるだけお腹に刺激を与えないようにして、楽しい事を考えるように心がけながら我慢を続け、何とかプーケットファンタシーに到着。命からがらトイレに駆け込んだのだった(^^;

 ああ〜〜〜〜、間に合ってよかった〜〜〜〜〜

 用を足して幸せな気分で個室を出ると、中国人だろうか、下半身パンツ一丁で、悲しそうにハンドドライヤーでズボンを乾かしている人がいた。この人、もしかして間に合わなかったのか!?・・・ちょっとシンパシーを感じでしまったぞ(^^;

 トイレから出るとこちらも別の車だったA家発見。会えてよかったよ〜。しかし他のみんなの車はまだ着いていないようだ。先に出たのにねえ。どうしたんだろ?

 みんなを待つ間、チケット売り場の前民族衣装みたいなのを着た人を発見。きっと記念撮影用のモデルさんなのだろうが、あまりかわいくないせいか(^^;で手持ち無沙汰そうにしていたので、みんなで並んで記念写真を撮らせてもらう。ちなみにチップは要求されなかった。

 その後、隊長とかるろす一行も到着した所でチケットの手続きをしてもらう。ショーは午後6時半からと午後9時からの2回に分かれていて、当初は食事の後9時からの回を見る予定だったのだが、協議の結果6時半のショーを見てから晩ご飯ということになった。良かったよ〜、その頃ならお腹も何とか落ち着いてくれるだろう。

 開演まではあと15分ほど。ゲートを抜け中に入ると、思っていたより全然規模が大きい。
 広い敷地にはトラディショナルな建物のみやげ物屋やレストラン点在しとっても賑やかなのだが、暮れてきた夕日の下かがり火が焚かれた風景は、なんだか昔のタイにタイムスリップしたような雰囲気をかもし出していた。
 その間を縫ってをショーの行われるホールまでみんなで急ぐ。

 途中の象の神殿の前で記念撮影。これって別に歴史的建造物じゃなくて、このアミューズメントパークのために作ったいわばセットなんだからすごいよなあ。

 結局開演時間5分前にホールに到着。中は撮影禁止で、念入りな事に入り口のところでデジカメや携帯を預けなければならない。

 ホールの中に入るとこれまたすごい規模。ライブとかに行った事がないからなおさらそう感じるのかもしれないがめちゃくちゃ広い。
 座席は完全指定でうちらグループは2階席の中ほどだった。座席には適度な段差がついていて、前の人が邪魔になることもなくステージが良く見える。座り心地も上々だ。

 木々に覆われたステージには霧が降り注ぎ、緞帳には森の風景が映し出され期待感が高まる。

 やがて開演時間になると緞帳が上がり、ショーが始まった。
 英語のアナウンスだったので内容は良くわからなかったげど、最初はバリのケチャとかバロンダンスみたいな神様の物語みたいだった。でも仕掛けは近代的で、ワイヤーアクションを駆使して神様が空中を飛んじゃったりする。

 他にも照明で衣装だけを浮かび上がらせた幻想な空中ブランコがあったり、本当の雨が降ってきたり、思わず見入ってしまう演出だった。

 途中マジックショーまで入ってきたのでごちゃ混ぜ感もあったが、それには本当の虎まで出てきていた。鳩も飛ぶしニワトリもヤギも走るし、象!が10頭も出てきて(それだけ広いステージなのだ)逆立ちしたりと動物も大活躍。

 とっても面白く、あっという間の1時間30分だった。腹痛を押して来てみてよかったよ〜

 ショーが終わって会場を出ると外はもう真っ暗だった。

 このあとはディナータイム。お腹の方も大分良くなってきたので、これならちゃんと食べられそうだ。
この豪華絢爛なキンピカの建物が夕食会場になっている。

中がこれまた広い。そこらの体育館よりでかそうだ。1000人は余裕で入れるんじゃないだろうか。
ここが満杯になる事なんてあるのかねえ。

 晩ご飯はビュッフェ。ただしアルコールは別料金だ。このあとまだ帰りの車移動があるので、念のためちょっと控えめにして飲み物はシンハのSを一本にしておく。料理もほどほどで、刺激物を避けておこう。さっきは辛かったからねえ。

 ここでもたいきが何度も料理をとりに行っているのがやたら目に付く。あいつこの旅行で確実に太ったろうな・・・

 腹八分目になった所で食事タイムは終了。レストランの前で記念撮影をして、今日の所は解散。しかし金ぴかだねえ。

 これでとりあえずは解散だ。9時からのショーが終わると送迎車が大混雑すると言うので、もうちょっと遊んでいくという隊長、かるろす家と別れ、A家と一緒に一足先に帰ることにする。
 男子チームには明日の朝は6時半集合って言っておいたけど、なんだかムニャムニャと返事が返ってきた。みんなきっと来ないに違いないな(^^;

 しかし思いのほか楽しかったなあ、プーケットファンタシー。グータラORAT家だけじゃこういうとこには絶対来ないだろうから、みんなと一緒でほんと良かったよ。きっとたいきもいい思い出になっただろう。手配してくれたAママありがとう!

 送迎車の乗り場に行くと、僕らのほかにもう2グループが同じ車に乗せられた。また色々なホテルを連れ回されるのかな、と思ったが、夜は道が空いているってのもあるだろうけどプーケットファンタシーを出発した車は飛ばしに飛ばしまくりあっという間にカロンビーチに到着。そしてまず寄ってくれたのがうちらのホテルだったので、再びトイレの恐怖を味わう間もなく無事帰還することができた。

 Aちゃんとたいきは明日の朝散歩に行きたいというので、それじゃ6時半に今朝の場所に集合ね、と約束してそれぞれ部屋に戻った。

 たいきは今日一日中裸でプール遊びをしていたため、背中が日焼けでえらいことになっていた。痛くてベッドに仰向けに寝転ぶ事ができないというのだ。色白なのに無理して焼くからだよ。しょうがないのでうつぶせに寝かせ、洗面所にあった日焼けローションを塗ってやり、さらに水に浸したバスタオルをかけてやるとそのまま寝入ってしまった。

 僕はこの晩はあまり飲んでいなかったし昼寝もしたのであまり眠気がやってこなかった。
こういうときは風呂桶にお湯を張ってゆっくりあったまるに限る。そして冷蔵庫のシンハで風呂上りの一本。今晩も上の階で宴会があるのかな、と多少憂鬱になりながらももう2本ほどシンハを空けるとなんだか眠くなってきた。

 そのまま空き缶をサイドテーブルに置き目をつぶる。プーケットも明日で最後、明日の晩からはモラコットの小屋で寝るんだと思うと、さらさらのシーツがなおさら心地よく感じるねえ、なんて思っているうちに寝入っていた。

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