モラコットの晩餐
 なんて思っていたら、いきなりの土砂降りに・・・道は一気に川と化し、煙のような水しぶきを上げている。雷鳴も聞こえてきてどうやら本格的な夕立になりそうだ。さっきのバンカー県での雨がこっちまで来たのだろうか。これじゃ部屋に戻る事もできないな。

 まあそのうち止むだろうからしばらくレストランで様子を見るとしよう。これだけ激しいと雨も爽快だ。
 壁にはヤモリが何匹も引っ付いているが、体の側面にあるラインが日本のものより野性っぽさを感じさせられる。

 そこにバードウォッチングの一行と思われる集団が帰ってきた。とすると、あの先導しているタイ人がYotin? と思い話しかけるが、彼はバンコク在住のガイドさんとのこと。違ったか。

 グループのリーダーらしい欧米人にPittaはどうだったか聞くと、今日の成果は惨憺たるものだったそうで、おまけに暑くて大変だったらしい。びしょぬれなのは雨のせいじゃなくて汗なんだと言っていた。なんだか明日が心配だけど、でもこの雨で活性が上がってくれるかもしれないしね。

 雨はその後も意外と長く降り続き、そして唐突に止んだ。さあ、鳥撮り再開だ。と言っても時刻はもう6時。
それじゃ最後にもう一度だけ裏の池に行ってみて、それでダメだったらこの日は終わりにしよう。

しかし池にはやっぱりルリカワセミは現れず、鳥撮り終了。
すっかり晴れ上がった空は綺麗な夕焼けに染まっていた。

RICKさん、にゃっちさんとは7時くらいにレストラン集合ということで約束をして一時解散。部屋に戻る。
部屋の前の街灯には体長2cmはありそうなたくさんの羽アリがたかっていた。

 部屋に入られないようにそっとドアを開け素早く室内に入ると電気をつける。おおっ、なんだか白熱電球でやわらかい雰囲気だ。前の思いっきり蛍光灯とはえらい違いだ。天井も茅葺じゃないのでトッケイが隠れる隙間もないだろう、
う〜ん、夜もこれなら快適そう。虫も全然入ってないぞ

それじゃまずは温水シャワーを浴びようか。おおっ、本当にお湯が出る!幸せだ〜

一日の汗と埃を洗い流してさっぱりしたらお待ち兼ねの晩ご飯、
今朝のビュッフェ以来ビール一本を飲んだだけだからお腹ペコペコだよ。

 念のため、この日のために買った強力LEDをフードにくくりつけた50−500mmを懐中電灯代わりにして庭を横切りレストランに行くと、まだ二人は来ていなかったがお手伝いと思われる高校生くらいの女の子が注文を取りに来てくれたのでシンハのラージを注文。スモール50バーツに対してラージ80バーツだからラージの方がお徳だもんね。以降スモールは頼まない事とするっ!

 ビールがやってきたのでまずは一人で飲んじゃおうかな、と思ったら、巨大羽アリがブンブン飛んできてそれどころじゃなくなってしまった。なんだかまた虫だよ〜。
 どうも街灯に集まって来ている一部が勢いあまってこっちに飛んでくるらしいが、こんなにわしゃわしゃいたら料理も羽アリ入りになるのは確実だ。
 そこへRICKさんたちも到着したので席を移動する事にする。おばちゃんに聞くと、道路から奥まった席のほうがまだマシだろうと言うのでビールを持ってそっちに引っ越すと羽アリは時々ぶつかってくる程度になった。
これなら何とか生きていけそうだ。それにしても髪の毛に突っ込んでくるのはホントやめて欲しいな・・・

それじゃみんな揃った所で、改めて再会を祝してカンパ〜イ!

いや〜〜うんめ〜〜〜〜!!!

たまらんねえ。なんでタイで飲むシンハはこんなうまいんだ!?

あっというまに大瓶3本が開き、さらにさっきの女の子に追加を注文して一息ついた。さ、それれじゃ何を食べようかね。

 しかしここのメニューは「エビ」「魚」「鶏」「豚」と「フライドライス」「フライドヌードル」「カレー」の組み合わせって感じなので、どれを選んでも結果に大差はなさそうだ。

 とりあえずビールのつまみになれば何でも良いや。ってことで、こんな感じとあと逸品、鶏肉のガーリックペッパー炒めを注文。RICKさんとにゃっちさんは普段あんまり晩ご飯は食べないみたいだからちょっと多かったかな?

再び女の子が料理を運んできてくれたので「コップンカ〜」と言うと「コップンカ〜ップ」と直されてしまった(^^;

 ここの料理はめちゃくちゃ美味いってわけでもないが全然不味くもない。しいていえばタイのお母さんが作る料理って感じだろうか。食べてて飽きないしボリュームもたっぷり。しかも安くて最高だ。なんせ焼そばもチャーハンも日本円にして一皿200円くらいなのだ。これなら手持ち資金の残高を心配しなくても思いっきり飲み食いできる(^^)

ビールで良い気分になっていると一台の車が止まり、中から東洋人のカップルと太ったタイ人のおじさんが降りてきた。もしかしたらあれがYotin?と思ったが、おじさんはそのまま車に乗って帰ってしまった。

 あとでその東洋人に聞いてみたら、やっぱりYotinにガイドをしてもらっていたそうだ。ちなみに彼らは香港人で、今日はPittaは見られなかったらしい。ここの所連日クロハラシマヤイロチョウは出ていたらしいが、今日でその記録がストップしてしまったとのこと。そりゃ残念だったねえ。うちらも明日に向けて不安材料が増えてる気がするな・・・

壁ではヤモリもご馳走にありついていた。ヤモリもこの状況なら大満足だろう。
こっちに落ちてきそうな奴を全部食べちゃっておくれ。

羽アリで喜んでいるのはヤモリだけじゃない。
この体長10cmほどのカエルも食堂の真ん中に出てきて電灯にぶつかって落ちた羽アリをパクついていた。

さっきのバンコクガイドさんが「Bull frogだよ」と教えてくれたが、鳴き声が牛みたいだからその名前がついたそうだ。
日本のウシガエルと同じ由来だね。香港チームもやってきて、このカエルは香港にもいると言っていた。

その後カエルもいなくなり、お腹も一杯になったところで今夜の所は解散。明日の朝は6時半に食堂に集合だ。
寝酒用にシンハラージをもう2本いただき、栓抜きも借りて部屋に戻った。

そして部屋でもう一杯、そのあと気持ちの良いベッドに入るとここの所なかったくらいぐっすりあっさり眠りに落ちた。

 

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