やっと出会えたキマユシマヤイロチョウ!
 Yotinについて藪をかき分けながら進んでいくと、10mほどでブラインドに到着。おお〜これがそうなのか〜、と感動している間もなく、Yotinにとっとと入れと促される。了解しましたっ!

 中に入ると3人並んで座るには十分なスペースがあった。

 だた湿気がすごくて前玉が結露して確実に曇った感じだ。ファインダーの方はアンチフォグアイピースを付けているので問題ないが、前玉が曇ったんじゃ拭くに拭けないぞ。どうしよう・・・

 そんなことはお構いなしにYotinがから更なる注意事項のレクチャーがあり、レンズを出す時はそ〜っとゆっくり、鳥が出てきた時レンズを振るのもそ〜っとゆっくりやらなきゃダメだと念を押された。さらにブラインドの布には絶対触れない事!との厳重な注意をいただき、それじゃ後は静かにしているように、と言い残してYotinはブラインドを出て行った。

 でも静かにしていろと言われると喋りたくなっちゃうのが人情だよな。RICKさんたちと「Gurney's よかキマユシマのオスほうが全然綺麗だよね。」などとひそひそ話をしていると、なんとそのキマユシマ、いきなり登場だ!

 おお〜〜〜っ、この色!なんなんだ!?綺麗過ぎる!それに目の前にこんなしっかりとキマユシマがでてきてるなんて夢のようだぞ〜

 Yotinの教えを胸にそーっとファインダーを覗くと・・・やっぱ曇ってる・・・・何が写ってるんだか良くわからないじゃないか・・・隣ではさっそくRICKさんの新兵器EOS1D-Xがうなり始めた。あせるなあ。ライブビューで撮ってるみたいだけどD3のライブビューはめっちゃ使いにくいんだよな。

 改めてファインダーを覗きなおすとなんとなくその鮮やかな色が見えてきた。レンズも曇り気味でなんだかモヤモヤだけれど、とりあえずAFから何からカメラに任せてシャッターを切る!ISO1000でシャッタースピードは1/2.5。暗いけど連写!よっしゃ〜!とりあえず証拠写真は撮れたぞ!

 でも生憎右手に生えている草が思いっきりかぶるんだよな。Yotinが三脚を一番低くしろなんて言うからだよ!
 ここはYotinの言いつけを破ってでもなんとかしなくちゃ!というわけで、キマユシマヤイロチョウを目の前にしながらそーっと三脚の足を伸ばしていいポジションを探していく。そして何とかクリアな位置までレンズを持ってくることに成功し撮影。よっしゃ、今度はまあまあだ!

 その後一旦キマユシマないなくなり、代わってチメドリの仲間がやってきた。地味だから曇ったファインダーではどこに居るのかなおさらわかり辛いが、取り合えず目星をつけてシャッターを切ったら写っている事は写っていた。

 そして再びキマユシマ登場。今度はばっちり葉っぱかぶりもない。
 日が昇るにつれ、日陰とはいえ森の中も多少は明るくなってきているようで、ISOを許容範囲の800まで下げてもさっきと同じSSがでる。明るいとはいいがたいけどね。
 でもこれがジャングルってもんだ。カメラブレは何とか押さえるとして、これだけ遅いSSになると問題は被写体ブレだ。
連写を重ねて止まっているカットを得るしかない。ひたすら連写!

 この頃になるとレンズの曇りも取れてきたようで、ファインダー越しにもキマユシマの姿がはっきり見える。なんて綺麗な色してるんだろう。バリでYudiさんと探した時はほぼシルエットを確認する事しかできなかったから、ここまで綺麗な色だなんて思っていなかったよ。
まゆげのの黄色からオレンジへのグラデーションなんて奇跡的だよ。しかもお腹が青いなんてシンジラレナイヨ〜
ほんと綺麗だ・・・
 ある程度餌を食べ終えると、少し奥の倒木の上に止まり羽繕いをしながら一休み。なんともマッタリモードだ。

 そこへ様子を見るためにYotinがブラインドに入ってきた。キマユシマをこんなにガッツリ撮れたのは彼のおかげ。ただもう感謝しかない。今まで言う事を効いてついてきてよかったよおお〜Yotin!ほんとありがと〜〜
 
と心の底から謝意を表すが、即座に「Be quiet!」とたしなめられてしまった(TT)
 そのあと「動かず静かにしてるんだぞ!」と一括を入れて出て行くYotin、まさに鬼軍曹だ。怖いよ〜

 そんな中、花型のヤイロチョウに混じり、なにやら小さい鳥も動き回っているのが目に入ってきた。RICKさんがコルリだよ、と教えてくれる。 コルリにこんなとこで会うとはねえ。そういえば去年のダナンバレーにもいたな。日本で見るとメチャ綺麗だけど、キマユシマの横ではその影も色あせちゃうかも。それに四六時中動きまわって撮り辛いったらありゃしないのだ。

 そのうち太陽の移動でヤイロフィールドに一箇所だけ日の当たる場所ができた。キマユシマ、日光の下で撮りたいぞ!
 幸いそのあたりはさっきからよく餌をついばんでいた辺り。来い!来い!と念じながらその辺りにピントを合わせていたら・・・キタ〜〜〜〜!

 シャッター速度も今回初の1/2桁秒がでている。連写音もさっきまでの「カッシャンカッシャン」から「カシャカシャカシャ」と連写らしい音がでている。この機会を逃すわけには行かない、ひたすらシャッターを切りまくるのだ!

直射日光の下で見るキマユシマヤイロチョウ、今までにもまして鮮やかに光り輝いて見えた。
わき腹のメタリックブルーもこんなに綺麗な色だったんだな。

やった〜うれし〜大満足♪やっぱりYotinの言うとおりにしとけば間違いないんだねえ。
これだけ撮れたらもうキマユシマヤイロチョウは十分だ。ホント幸せ。
これでKNCに来た目的の半分は達成したようなもんだよね〜とRICKさん、にゃっちさんと喜びを分かち合う。

しかしGurney's Pittaは出てこないね・・・

贅沢な話だが、この状況にだんだん慣れ始めてきた頃、ガサゴソと足音がしてキマユシマが逃げていった。
それと入れ替わるようにブラインドの後部が持ち上げられYotinが顔を出した。おもわず「Be quiet!」と突っ込もうかと思ったが、返り討ちにあうと怖いので大人しくしておく。ここはもうおしまいにして次のポイントに移動するそうだ。

ブラインドから出るとまっちゃんがいて機材を出すのを手伝ってくれた。その時、まっちゃんの腰についているものが目に入る。あれは拳銃のホルスターじゃないか?実はまっちゃん秘密組織かなんかに所属してんのか?でもそれに気づいたことがバレて消されるのも困るので、見なかったことにしておこう・・・

いままで熱気の篭ったブラインドに篭っていたので、外に出ると涼しい風がすごく気持ちいい。
Gurneyはダメだったけど、それはまた明日があるし、今のところは充実感いっぱいだ。

 午前中はこれでもう帰ってもいいくらいだったけど、どうやらもう一箇所どこかに行くようだ。正直ちょっと疲れたが、ここで泣き言など言ったらあとで鬼Yotinのシゴキが待ってるかもしれないのでおとなしくついていく。

 再び木々の間を縫うようにシャングルの中を進むので、どこをどう歩いているやらぜんぜんわからない。Yotinとはぐれたら確実に遭難するな。

 そして再び小休止。Yotinはトランシーバーで誰かと連絡を取っている。どうもまたまっちゃんがブラインドを仕込んでいるようだ。綺麗なメタリックグリーンの虫がいたので撮影したが、こりゃギンバエだろうな・・・まあPowershot G12がマクロも撮れるって証拠写真ってことで・・・

 やがてまっちゃんの準備が整ったようで移動開始。再び藪を潜り抜けてブラインドに入る。あづい〜〜

今度はにゃっちさんが席を交代してくれて僕が真ん中になった。ふたたびYotinの「静かにしてろ、動くなよ!」との一括が入り、みんなシュンとしてブラインドの中で待機。

 しかし今回は何も出てこない。ブラインドの周りでは何羽ものカワリサンコウチョウらしき声が「ギッ ギッ」となき交わしていてそっちを撮りたくなるが、三脚を動かしでもしたらYotinが「Be quiet!」と叫びながら飛び込んできそうなのでじっと我慢(^^;

 すると目の前の藪に何かが飛び込んだ。おっ、カワリサンコウチョウだ!長くて真っ白な尻尾だけが見える。でもそのほかの部分は葉っぱに隠れて見る事はできない。もうちょっといいところにでてきてくれ〜と心の中で祈ったが、その願いもむなしく、カワリサンコウチョウは白い尾羽を翻し、森の奥へ消えていった。

 そのかわり、目の前の枝に止まっていたボルネオモリドラゴンに似たトゲトゲのトカゲに気が付く。いつからいたんだろう?もしかしてうちらがここに来た時からずっといたんだろうか。全然気づかなかったな。

 あとはほんとに何にも出てこない。ひたすら虫の声と風のそよぐ音がきこえるだけ。なんだかシャングルと一体化してしまったような気分になる。そしていつの間にか睡魔に襲われ、コクリコクリとしばしまどろむ。これはこれで幸せだな。

 やがて再び聞こえてきたカワリサンコウチョウの声と共にYotinがやってきた。午前の部はこれで終了のようだ。 

 ブラインドを出ると、再びシャングルの彷徨がはじまった。炎天下の強行軍に足はもつれ喉が乾いてもうフラフラだ。
 再び木々をすり抜け小川を渡り土手をへずって必死で歩いてゆくと、いつのまにか見覚えのある道を歩いていた。今朝最初に入ったシングルトラックだ。

 そこからしばらく歩いて合流したモラコットプールへのメインロードは今さっきまでのジャングルの奥での体験が夢だったんじゃないかとおもうほどのにぎやかさだった。プールへ向かう観光客達がお気軽な格好でぞろぞろと歩いていた。迷彩ズボン、長靴そして長玉を担いだのうちら一行は明らかに浮いているな(^^;

 帰りはゲートが開いていてブースの中にはタイ軍の兵士だろうか、迷彩服を着たスタッフが詰めていた。
 Yotinにここで入園料をはらうように言われるが、生憎現金は持っていなかったのでRICKさんに立て替えてもらう。
入園料は当日限りではないらしく、半券を持っていれば明日もはいれるそうだ。路れじゃRICKさん、なくさないようにとって置いてね(^^;

 ゲートを抜けにぎやかな土産物外屋街を通り過ぎ、駐車場までの坂を登りきるともうバテバテ。ここでYotinとは別れる事になる。午後は2時45分に出発だそうだ。 

 それじゃまたあとで、と車で去っていくYotin、やっぱ乗せてくれなかったな。モラコットリゾートはまだ遠いぞ・・・

 

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