憧れのカザリショウビン
 クーラーの効いた部屋で1時間ほど昼寝をしたら頭も大分スッキリした。
 さっき外に干した靴下やシャツはもうからからに乾いていたので取り込んでもう一度着ておく(^^;
 
 そして予定時刻の2時45分より少々早い2時30分、RICKさんが迎えに来た。もうYotinが来ているそうだ。

 慌てて身支度を整えてカメラを担ぎレストランに行くと、さっきYotinが乗っていたのとは違う4WDのピックアップが止まっていた。運転席にはまっちゃんが乗っていたので、三脚を荷台に放り投げ、僕とRICKさん、にゃっちさんの3人が後部座席に乗り込む。それじゃ出発だ。

 炎天下の午後3時、クーラーの効いた車での移動は楽チンだねえ。今KNCまで歩けって言われたら途中でリタイヤしてたかも。車様様だよ。

 しかしそんな快適ドライブもつかの間で、舗装路を逸れて入ったパーム椰子のプランテーションの中の林道はひどい荒れようだった。
 車内は揺れまくり、天井に頭をぶつけてしまいそうだ。スピードも人が歩く程度しか出せないようで、大きな段差を一つ一つ乗り越えながら進んで行くような感じだ。まあクーラーが聞いている分歩くよりはマシだけれど、カメラを抱えて踏ん張るのも楽じゃないなあ・・・

 周りはいつまでもパーム椰子のプランテーションが続いている。タイに限らず東南アジアの森林は保護区から外れるとことごとく開拓されプランテーションになっているよな。

 そんなでこぼこ道を走り続け30分は経っただろうか、倒木で行く手が塞がれて先に進めなくなってしまった。道は車がすれ違えるかどうかも怪しい位の広さ、両側は土手や藪に覆われUターンできるほどのスペースも無い。

 このままバックで広い所まで引き返すのかと思ったら、車の4WDモードスイッチをLOに変えたまっちゃんはバックして車体後部を路肩の土手に突っ込ませた。そして藪をなぎ倒しながら土手に乗り上げると、切り返してUターン!すげ〜!車ってこんなことできるんだ!これなら象とでも戦えるかも。

 なんて感心しつつ来た道をちょっと引き返しわき道に入る。回り道をするようだ。再び激しいダートに揺さぶられ、轍の間隔で板を渡しただけの今にも崩れ落ちそうな橋を渡る。まっちゃんとYotinも緊張気味だ。コエェ〜〜

 そして揺られまくること10分ほど、やっと車は停車した。ここがカザリショウビンのポイントなのかな?
 

 周りは高い木々に囲まれているが、密林と言うほどでもなくわりと明るい。
僕らはここで待つように言われ、各自車から降りてカメラをセットする。

 Yotinはまっちゃんと二手に別れカザリの姿を探しに行った。

 林道の先からはまっちゃんが流していると思われるコールバックの音が聞こえてくる。Yotinもトランシーバーでまっちゃんに指示を出しながらカザリの声を流す。連係プレーだな。

 やがてその音に答える様に、森の奥から「ピィーピィーピィー」とカザシヨウビンの声が聞こえてきた!しかも2羽で鳴き交わしているようだ。とはいえここまでは今までにもカオヤイやダナンバレーでも経験がある。でもいずれも結局姿は見られなかったのだ。

 明るい森といっても、声が聞こえてくるのは道路から大分離れた奥のほう。今回も姿を見るのは難しそうだなあ・・・と思っていたら、声が道路の右から左へ移動した。
Yotinを見るとこっちに向かって手招きしている・・・えっ?いるのか!?カザリショウビン!

 ここで走ったら鬼Yotinに怒られるので、抜き足差し足で近くまで行くと、あそこにいる、と指差した先にカワセミ系のシルエットが!ちょっと遠いし生憎の空抜け逆光だが背中のシマシマ模様が分かる!間違いなくカザリショウビンだ!!

しかし慌ててファインダーに入れ3カットほど撮った所で飛んでいってしまった。それでもやっと会えてて嬉しいぞ〜。

思ってたよりずいぶん小さいんだなあ。アカショウビンより全然小さいイメージだ。

その後もYotinとまっちゃんのコンビネーションはすばらしく、再びカザリショウビンを見つけてくれる。
やはり今度も木の高い所で空抜けの逆光だったが、頭でっかちのシルエットがとってもカザリショウビンっぽい。

またすぐに飛んでしまったが、次に現れた所は多少枝被りはあったものの、順光で条件は悪くない。
うぉ〜本当にカザリショウビンだよ。実物を目の前にしてるなんて、なんだかちょっと信じられないな うれし〜!

 カザリショウビンはこの場所に長いこと止まっていてくれ、頭の毛をゆっくりと逆立てたり寝かせたりしている姿をたっぷりと堪能させてくれた。さらにコールバックに反応して「ピィーピィーピィー」と囀る姿も見せてくれてもう大満足。

 思い起こせば十数年前、ランカウイのジ・アンダマンの部屋に置いてあった鳥の図版ではじめて見て依頼ずっと会いたかったがどうも縁遠かったカザリショウビン、やっと会えてほんとに幸せだ〜

 贅沢を言えばもうちょっと近くで撮りたかったけどそれはまた次回の課題ってことにしよう。

心配していたスコールも今日は大丈夫みたいだ。なんかうちら今回は運がいいのかな(^^)

 

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