Pittaリベンジ
 早くもモラコットリゾート最終日の朝になってしまった。約束どおり6時15分に外に出ると、すでにRICKさんたちが待っていた。そしてRICKさんから提案が。「車で駐車場まで送ってもらえないかねえ」

 そりゃいい考えだ・・・でもやっぱ僕が交渉にいくの?

 と言うわけで、借りっぱなしだった栓抜きを返しがてらレストランへ。うまいこと妹さんがいたので「駐車場まで送っていただけないでしょうか・・・」とお願いするとあっさりOKしてくれた。ありがとう〜〜〜

 みんなを呼んで車に乗せてもらうと、「5年前も送ってもらいましたよね」「そうそう、奥さんと子供を荷台に乗せて迎えにいったわよねえ」なんて盛り上がっているうちにあっという間に駐車場に到着。車は便利だ、と再認識する(^^;

 駐車場ではすでにYotinがてぐすね引いて?待っていた。それじゃGurneyのリベンジに出撃だ。

 今日はまだ全然疲れていないので元気に歩いていくと、坂を下ってゲートを抜けた所でYotinが急に立ち止まった。
 小声で「どうしたの?」と聞いたら「Kingfisher」とのこと。
 確かに今、カワセミの「チーチー」と言う声が遠ざかっていった。残念ながら飛んでいってしまったようだ。

 しかしYotinはまだ諦めずに辺りをじっくりと探している。、昨日のカザリやアオヒゲで驚異の探鳥能力を見せ付けられているので、僕らも諦めずに息を潜めて辺りをうかがった。しかしやはりもうどこかにいってしまったっぽい。
 諦めたらしいYotinに「Blue eared?」と聞くと「Yes!」。ルリカワセミだったようだ。それは見たかったな。でもこの明るさじゃ撮影は無理だったろう。

 それでは再びブラインドに向けて出発。歩きながら「5年前にもYotinにガイドしてもらおうと思ったんだけど、あの時はあなたが忙しくて予約が取れなかったんだ」というと「5年前だったら99%の確立でGurneyのオスも見られてたのになあ!そりゃ残念、ガハハハハ」何せ今年はメスしか見られてないんだもんね。あの時ガイドしてもらっていればなあ・・・ 

 やがて昨日も通ったわき道に入り、小さな木の橋を渡る。ちなみにこの橋は左側を歩かないと崩れるそうだ。やばいね

 そして今日もどんどん森の奥に入っていく。なんせこんな状況だからどこが道だかわかりゃしないのだ。

 やがてまっちゃんが登場しやっとポイントについたのがわかった。あ〜づかれだ〜〜。ブラインドに入る前にひと休みしつつ三脚の脚をちじめる。

 ここでYotinから再び注意事項が言い渡された。まずはブラインドの中ではとにかく静かにしていろって事。やべ、昨日コソコソおしゃべりしてたのバレてたかな(^^;
 次にレンズを振るときはあくまでもそ〜っと動かすように。
 それともう一つ、昨日Gurneyが出てこなかったのは、シャッターの音に警戒しての事だったのかもしれないので、今日はGuranyの前にBandedが出てきてどんなに撮りたくても絶対にシャッターは切るな!そうすればきっとGurneyも出てくる!ってことだ。了解!仰せの通りにいたしますっ!

 そしてみんなでブラインドにそ〜っと突入。今日も暑いぞ〜。今回はにゃっちさんが真ん中を譲ってくれた。ありがとう〜
 カメラをそ〜っとセットしてファインダーを覗くと、うわっ。今日も曇りまくりだよ。これじゃGurneyが出てもまともに撮れないぞ。どうするかなあ・・・

 と悩んでいる間にはやくもBanded=キマユシマヤイロチョウが登場。撮りたいけど怒られるのでここは我慢だ。一応ファインダーで捕らえてみるがやっぱりモヤモヤで、どこにPittaがいるのかわからない。困ったな、いまさら前玉を拭く訳にも今ないし、拭いたってまたすぐ曇るだろうからな・・・

 それでは試しにと、ライブビューで見てみると、今度はくっきりとPittaの姿が液晶モニターに浮き上がった。こうも違うかねえ???と不思議に思い、試しにファインダーを拭いてみたら一気に曇りが取れた!なんだよ、アイピースが曇ってたのか!アンチフォグアイピースだから絶対曇らないと思い込んでいたけど効果ないじゃん。でもこれでいつGurneyが出てきても大丈夫だ。

 と思っていたら、Bandedの後ろにちょっと地味な鳥が現れた。あれはもしや・・・!!!おお〜〜〜っGurneyだ!!! やっと出てきてくれたんだ!それじゃ撮影開始!今日もSSはISO1250で1/3。あいかわらず非常に暗く被写体ブレとの戦いだ。

 世界でもミャンマー奥地とここにしか生息していない希少種Gurney’s PittaだがKNC周辺の生息数はどんどん減ってしまい、今年確認されているのは2羽のメスだけとか・・・そんな鳥を目の前にしているなんて夢を見ているようだ。

 ただし本当に綺麗なのはオスで、これはメス。なんだかウズラっぽい。さらに調査のための足輪が付いていた。そこがちょっと残念ではあるが、GurneyはGurney。会えてよかったよ。

 一度出てきてしまえば向こうも安心するのか、のんびりと餌を採り始めた。
これでYotinに怒られる事もなくキマユシマヤイロチョウも撮影することができるぞ(^^;

 こちらは昨日たっぷり撮っているので今日は多少気持ちにゆとりがある。
 ISO800まで落として高画質を狙おう。SSは1/2とさらに劇遅、後は運任せだ。幸いなのは、雨上がりの昨日と違って湿気が多少すくないのか前玉の曇りがないことだ。しかし何度見ても綺麗だ・・・

Gurneyとキマユシマはあまり仲良くないようだが、時々近くまで寄っていくので夢のようなツーショットになることも

 そのうち何かの驚いたのか、2羽ともぴょんぴょん飛び跳ねるように視界から消えていった。

 鳥がいないとなると暑さが急にこたえてくるな。それに眠い・・・ちょっと一息、と思って地面に手を付くと手のひらに焼け火箸で刺されたような(刺された事ないけど)強い痛みが走った。びっくりして見てみると、スイカの種みたいなものが付いている。よく見るとアリの頭だ。しかも前にダナンバレーでも見かけた体長2cmくらいあるでっかい奴のだ。

 胴体は既にもげていて頭だけなのにガシガシとアゴが動いている。気持ちわるっ。でも痛い〜
 慌ててつまんで抜き取るが強い痛みが残った。ダナンバレーでワンコンがデンジャラスって言ってったのを思い出す。こりゃ本当にデンジャラスだ。テントの中だと思って油断していたが気をつけないと・・・

 やがて再びGurney登場。今日はニコワンを持ってきてるので、今度はこれでドアップを狙って見る。
 ISOは100にしてのレリーズ撮影。暗くてAFは効かないのでマニュアルフォーカス。
 シャッター速度は1秒で、もう秒何コマとかは全く関係ない世界だ。なので長い事レリーズを押し続けていたのに数枚しか撮れていなかったりする。

 基本的に常に餌をとっているので中々被写体ブレが収まらないが、ここはいっぱいシャッターを切って数打ちゃ当たる作戦でいくしかない。

それでもやっぱりミラーショックがないのは効果的なようで、あたればかなり精細に撮れる。
お腹のクロと黄色の虎柄シマシマは、クロハラシマって名前だけのことはある。中々綺麗だ。

これを最後にGurneyはいなくなってしまったが、数枚はまともに撮る事ができたので一応満足。

それじゃコルリもニコワンでチャレンジ。こいつはさらに動きまくりでさらに難しい。
しかし3人でコルリなんて撮ってると蕎麦所に来たみたいだね(^^;

そしていつの間にかすっかり主役の座に居座ってしまったキマユシマヤイロチョウもドアップで!
しつこいようだが何度見ても本当に綺麗な色をしているよなあ。もうたまらん!マユゲの色は薄闇でも光り輝くようだ。

キマユシマはひたすら地面の餌をつついていて、時々何かが気になるのかしばらく動きを止める。
それを見計らってシャッターを切るのだが、8割がた顔がブレて消えていた。

 しかしニコワンもなかなか大したものだ。見直したよ。距離がそこそこ近くて太陽光線の影響も受けにくいこの状況が良いほうに味方しているのだろうが、シャッター速度1秒でこれだけ撮れるとはねえ。サイズもほぼノートリ。MFでも被写界震度が深いのでそれほど苦にならない。

 でっかくトリミングしてもこれくらい写っていれば上等だろう。

 と、いいとこずくめのようなこのシステムだが、「撮った感」がいまいちではある。撮影しているというよりデータを記録しているって感じだ。それに昨日のカザリやアオヒゲのような光の状況では満足の行く画像は得られなかったかも。とはいえジャングル戦では役に立つ場面もありそうだ。

 ある程度ドアップを抑えたら、あとはまたD3で引き気味に。やっぱこっちのほうが撮ってて楽しいし充実感があるな。

しかしこれだけじっくりヤイロチョウと対峙できる所って世界でもここだけじゃないだろうか。
ヤイロチョウと言えば「幻の」って前置詞を付けたくなっちゃう位の鳥だけど、それがこんなに長いこと
目の前にいてくれるなんて・・・これもすべてYotin様のおかげだ。怖いけどすばらしいガイドさんだよな。

やがて9時をまわった頃Yotinが迎えに来てPittaリベンジは終了。みんなもうお腹いっぱいだね!幸せだ〜(^^)

 

戻る目次次へ

鳥見旅行記トップへ

 

 

inserted by FC2 system