虹と夕焼け
 オリオンで一服した後は、晩ご飯までまだ時間があったので釣りに行くことにした。折角ここま出来たんだからね。
 釣具の用意をして仕掛けを作ってから部屋から出ると、とたんに大雨が降りだした。

 多分夕立だろうから、明るい方に行けば降っていないかも、と思い、ひーこの運転で出発。
 とりあえず上原港に行ってみたがここも雨。それではとお隣の船浦港に行くと、こちらは降っておらず地面も乾いている。ほんとに局地的な雨みたいだ。ただ、山のほうには真っ黒な雲がかかっていて、ここが雨になるのも時間の問題かも。その前にとっとと釣り開始。

 狙いはやっぱりアオリイカ。しかし今まで1匹も釣った事がないわけで・・・釣れる気は全くしない(^^;
 まあいいんだ、エギを投げるのが楽しいんだから。

 しかし釣りを始めて5分も経たないうちにここも土砂降りに。

 南国の雨だ、濡れても良いや、なんてレベルを超えた、痛いくらい激しい夕立だったのでさすがに車に避難する。
激しい雨は5分ほどで、降り始めたときと同じように突然止み、雲が流れ去り太陽が顔を出した。
まさに南国のスコールって感じだったなあ。

なので釣れない釣り再開。

ふと見上げると、空に虹が現れた。

そして虹はどんどんはっきりしてきてついには綺麗な半円を描いた。よく見るとその外側にももう一つ虹が見える。
こんなにくっきりと虹を見たのは久しぶり。たいきも釣りなんかそっちのけで「すげ〜」と感動していた。

良いもの見れて良かったなあ。そのあとも、もうちょっと竿を振ってみたが、全然釣れないまま時間切れ。そろそろ晩ご飯の時間だから帰らなきゃ。

途中スーパーでビールの補充をしてから宿に戻ると、もう一度シャワーを浴びては本格的にさっぱりする。
そして食事前のビールを片手にベランダに出ると、まだ虹が少しだけ残っていた。

しかしそれもつかの間、太陽が傾くのに釣られるように薄くなってゆき、虹が消える頃には雲もすっかりなくなって
西の空に夕日が顔を出した。さあ、お腹も減ったから食堂へ行こうか。

 食堂へ行くため部屋を出て階段を下りていくと、踊り場の手摺にいる真っ赤な蟹に遭遇。雨に喜んででてきたのかな。
 近寄ると慌てて手摺の向こう側に逃げ込んだのでそのまま下に落っこちてしまったかと思ったが、見下ろすと頑張って壁面に張り付いていた。

 そして今日も晩ご飯だ!
 今晩のメニューはグルクンのから揚げ、豆腐チャンプルー、冬瓜の煮物に島ラッキョウ、そして今日釣ってきたという磯マグロのお刺身。汁物はソーキソバだ。
 冬瓜は前に他所で食べた時、なんだか水っぽくて不味かったので食べるのに多少の覚悟が要ったが、実際食べてみるとその時とはまるで別物、非常にうまい!
島ラッキョウをツマミに生ビールをいただき幸せだ〜。ソーキソバも美味しいし、グルクンもなんだか一味おいしい。
味付けはむしろ薄味気味なんだけど、何で美味しいのか不思議だ。ほんと、ここの料理は最高だなあ。

イソマグロはでっかいのが釣れたそうでお替りもあるよ、と勧めてくれたのでお言葉に甘えてご飯のお代わりと一緒にもう一皿いただいた。刺身大好き、マグロ大好きのたいきはもうウハウハ。さらにこれにつけるタレがうまい。

 おばさんに聞くと、ミソとマヨネーズにニンニクをちょっと入れるらしい。これにつけて食べるとマグロなのにステーキを食べてるような味がする。他の料理もすごく美味しいけど何かコツがあるんでうか?と聞くと、特にないけどねえ。
まあしいて言えば昨日のジューシーご飯は豚の油で香り付けをしているのと、このソーキソバはとんこつから出汁をとってるけどそれくらいかねえ・・・と照れていた。なんだかさすが名人って感じだ。

 美味しい料理でお腹もいっぱいになって至極幸せだ。
 ご馳走様を言って食堂を出る前に明日のチェックアウトの時間をおばちゃんに聞くと「何時頃がいいの?」と逆に聞かれたので、出来たら午前中は前の浜でスノーケリングをしたいので、そのあとシャワーを使わせてもらえるところがあるのなら何時でも・・・というと、「それじゃ昼まで部屋を使ってていいさぁ〜」と太っ腹。
なんだかアットホームで本当にいい宿だなあ。どうもありがとう〜とお礼を言って食堂を出ると、今日も夕暮れのビーチの散歩に行く。 

 雨が空気を綺麗にしてくれたのか、今日の夕焼けはまた一段と綺麗だな。オレンジに染まる雲が心にしみる。
まるで大きなオレンジ色の天体が浮かんでいるみたい。

 手を伸ばしたら抱えられそうだねえ。

 そして残照もあとちょっと、というくらい薄暗くなった頃、波打ち際からすぐそばで小魚が跳ね、それを追って大きな魚が
バシャっとボイルするのが見えた。良く見るとかなりでかそうな魚が背びれを出して泳いでいる!もしかしてガーラ!?それともカスミアジか!?どっちにしても小魚を追っているって事はルアーにも反応するに違いない!

 急いで車に行って置きっぱなしだっだ竿とリールにルアーをとってくる。小さいミノーををセットしてその進行方向に向かってキャストしてみると、なんとなくルアーを追っているような動きをすじゃないか。これは釣れるかも!と期待が高まるが、あと一歩で食いつかない。くやしいなあ。

 たいきとひーこもやってみたいというので変わりばんこでルアーをキャスト。でも反応はどんどん悪くなってゆき、そのうちルアーには見向きもしなくなってしまった。

 それじゃせめて正体だけでも見極めようと思い、D7000のストロボを使ってみることにする。暗くてAFは全く動かないのでMFでピントをあわせるしかないのだがファインダーも良く見えない。背ビレが立てる波を追い、感でピントを合わせて何枚も撮影した結果、やっとその正体が写ってくれた。

ダツでした〜
妙にでかく見えたのは細長かったからか。それにしても結構綺麗な色してるんだな。

それじゃそろそろ部屋に戻ろう。明日は早くも西表最終日。何か朝撮りでも成果が残せると良いのだが・・・

前へ目次次へ

鳥見旅行記トップへ

inserted by FC2 system