台風の中出撃
   昨夜は一晩風がゴンゴンとうなる音が聞こえていて、まさに台風通過の真っ最中と言う雰囲気だった。

 そして朝が来た。天気予報によると台風は徐々に離れていっている様だが、どんよりとした空からはいまだ小雨がぱらつき、強風が吹き続けている。それでも今日は宮古島滞在最終日(飛行機が飛べばの話だが・・・)アカ様に会いに行かないわけには行かないだろう。

 というわけでいつもと同じ時間に宿を出てアカ様ポイントへ出撃!

 現地に着き車を止めて森の中を歩いていると、台風のせいだろう、木の枝や葉っぱが沢山落ちていた。
 その中にアダンの実も混じっていたのだが、それを食べにヤエヤマイシガメがでてきていた。

この亀、ヤエヤマとかネイティブっぽい名前がついているがその割りに移入種で、元々は宮古島には住んでいなかったようだ。そういえばどこかふてぶてしさが漂う面構えをしているかも。

 ポイントに付く頃にはもう雨もほとんど止んでいたが、風はビュンビュンで空はまだ一面雲に覆われていた。マジで飛行機飛んでくれるかなあ・・・と心配しながらブラインドをセットして待機開始。

そして今日一番に現れたのはサンコウチョウの若だった。昨日の台風、よくやり過ごしたねえ。

 昨日は見かけなかったオオクイナもやってきた。
蜘蛛の巣が絡んでいるが、夜の間藪の中で隠れていたのかな

そしてアカ様!まずは足環なしだ、よかったよ〜。
強風で羽毛を逆立手ながら枝にしがみついていた。ともかくこれで3日間アカ様は外れなしだ。

 地べたを見るといまだオオクイナが水浴び中。なんとも贅沢なシチュエーションだ。

 オオクイナもアカ様もたっぷり撮影したし、最後にオオクイナの水浴び動画でも撮っておこうかな、とカメラを回し始めると、オオクイナの横の枝に転がっていた木の枝が揺れだした。
どうしたのかと思ってパンしてみると、不安定な枝の上でアカ様が一人シーソーをやりながら水浴びをしていた。しかしライブビューのAFはなかなか合ってくれず、それではとMFを試すもなかなか一発ではピンは来ない。動画ってのは難しいものだ。

 

 この後アカ様は森の奥に飛んで行き、入れ替わりに現れたアカ様は残念ながら足環君。
 こいつが結構長いこと粘るのものだから、せっかくのアカ様を前にしてまともにシャッターが切れない。キョロってくれたりしてサービスはよいのだけれどね。まあそんなだから捕まっちゃったりするのかもしれないが・・・
 一応足環が隠れる向きになった時だけ撮ってみるが、やっぱりいまいち気持ちが満たされない

やがてやっと足環君が居なくなると、今度は足環なしの健全なアカ様がやってきた。
今までの鬱憤を晴らすようにシャッターを切る。何だか足環のない足元が光り輝いて見えるな。

 この頃になると急に空が明るくなってきて、天候は一気に回復。雲の切れ間から太陽が顔を出しそれと共に森の中の水滴がきらきらと輝きだした。なんとも言えず綺麗な光景だ。

次に現れたのは今回初登場、キンバトの若。

贅沢言っちゃいけないが、ここで撮れるのはアカ様、サンちゃん、オオクイナばかり。
アオバズクもリュウキュウコノハズクも見れない中、そろそろ何かニューフェイスに会いたいと
思っていた所だったのでうれしいぞ。でもさらに贅沢を言えば成鳥だったらもっとうれしかったな。
幼鳥だから警戒心が薄いのだろう、こちらを気にする風でもなく、結構長いことのんびりしていた。

キンバトに続いてまたアカ様。明日からはやんばるでの鳥撮りになるが、
アカ様をまともに撮れるとは思えないので、ここでしっかり撮っておかなくちゃ。
足環は・・・幸いずっと向こうを向いててくれたので、なかったと信じよう。

そしてさっきの願いが通じたのか通じたのか、キンバトの成鳥も登場!
最初は慎重に枝の上で辺りをうかがっていたが、しばらくじっとしていると近くに下りて来てくれた。

 やっぱり成鳥は色が濃くて綺麗だよなあ。時折動きを止めてあたりを警戒しながら地面に落ちたなにかをついばんでいた。

 その後、轟音と共に今朝の一番機が飛んでいった。台風の影響はないみたいだ。良かったよ。
それじゃ今日は荷物の片付けもあるしそろそろ引き上げようかね。

最後にやってきてキョロってくれたアカ様を撮らしてもらい、鳥撮り遠征宮古編は終了。

 あ〜あ、今日もドップリ森の中に浸れて幸せだったなあ・・・

 アカ様が居なくなるのを待ってブラインドを片付けると、満たされた気持ちで車へ向かう。

するとさっきと同じ場所にまだヤエヤマイシガメがいた。よっぽどアダンの実が好きなのかな。
えぐくって人間はとっても食べられないらしいけれど。

 今度はあまりかまわずに通過して、しばらく行ってから振り返ると、首を目一杯伸ばして
こっちの気配を気にしていた。もう邪魔しないからゆっくりご飯を食べておくれ。

前へ目次次へ

鳥見旅行記トップへ

inserted by FC2 system