大接近!ヤンバルクイナとノグチゲラ
 

 ついにやんばるでの最終日、この日も夜明け前に宿を出て、まず目指すのはヤンバルクイナ、
作戦としてはこの3日間でヤンバルクイナに遭遇した場所を順にまわっていく予定だ。

 この朝も何度か路肩を逃げていく姿を見かけながら車を走らせる。

 そして一番有望だと思われるポイントで予想通りヤンバルクイナに遭遇!

 そっと車を路肩に寄せてエンジンを切り50-500mm付きD4のISOを2500まであげて構ていると、ヤンバルクイナはトコトコとこっちに歩いてくるじゃないか!しかも足環なしだ。ヤンバルクイナから近づいてくるなんて、こんな事あるんだなあ。

 息を殺して見ていると、本当にすぐそばまでやってきて地面のなにかをついばんでいる。すげ〜
こんなに近くでこんなにじっくり足環なしのヤンバルクイナを見れるとは思っていなかったなあ。

 ヤンバルクイナはしばらく車の周りをうろうろして、たっぷりとその姿を堪能させてくれた。

 そのあとは斜面に入りしばらくこちらを覗っていたが、少しづく奥に入って行き、やがて草に埋もれて見えなくなった。

 ふ〜、濃い時間だったなあ・・・初めてやんばるを訪れてから12年、そして初めてその姿を見てから5年、やっとまともにヤンバルクイナを撮影できた。うれしいよ〜。

 アカヒゲ、ヤンバルクイナとクリアできたので、やっと気持ちにゆとりが出来た。それじゃ次は今回未見のノグチゲラを探しに行こう。

 とはいえあまり細い道には入りたくないので、いつものアカヒゲポイント周辺で探す事にした。今回も何回か声は聞いていたのでいない事はないだろう。

 移動中、海の向こうに太陽が昇った。いつもならやんばるの日の出も当分見れないと思うとちょっとさびしく感じる所だが、今朝はヤンバルクイナが撮れたうれしさの方が勝っていて、気分良く朝日を眺めることができた。

 その先の路上には蛇が轢かれていた。アカマタだろうか、綺麗な模様だ。生きている時に会いたかったな。

 ポイントに付くと、今朝もメスのアカヒゲがガードレールの上で出迎えてくれた。ここはもう完全にメスが縄張り確保してしまったようだ。

 その近くから「ケッケッ」というノグチゲラっぽい声が聞こえてきたので車をガードレールに寄せて停めると三脚にレンズをセットして捜索開始。

 声のするほうに行ってみると木がガサガサと揺れており、声はそこから聞こえていた。明らかにノグチゲラだ。ただ葉っぱが多くて良く見えない。どこか良く見える所はないかと探しているうちにノグチゲラらしき影は「ケケッ」と鳴いて一気に飛んでいってしまった。残念、そう簡単にはいかないか。

 気分を変えてそこらへんを散策すると道端の花に蜜を吸いに来たモンキアゲハを見つけた。大きくて存在感のある蝶だ。こいつ八重山では見かけないよな。

 森の中に上手く同化していたキノボリトカゲも見つけた。やっぱこっちのは色が綺麗だなあ。

 そんな生き物達を撮影していると、ノグチゲラが「ケケッ ケケッ」と鳴きながら戻ってきてくれた。このチャンスを逃したら次はないかも、と思いながら動きを追っていくと、こちらから良く見える幹に止まってくれた。急いでファインダーに入れてシャッターを切る!やった〜ノグチゲラゲットだ!

 ノグチゲラは木の幹をつついたり、こずえのほうの木の実を啄ばんだりとしばらくその姿を楽しませてくれた。待ってたわけじゃないけれど、粘るといいこともあるんだな。

 これで今回の目標はほぼクリア。あとはのんびりと車を走らせながら林道を一回りして宿に戻ろう。

 と思っていたのだが、しばらくして黒ひげ登場。いい枝の上に止まって囀ってくれたのだが生憎D4に付いていたのは50−500mm。いい結果は望めないがとりあえず証拠写真だけでも・・・

 こういうことがあるから常に準備は怠っちゃいけないんだ、と思いつつレンズをロクヨンに付け替えて走り出すと、再びアカヒゲ登場!でも産毛のヨダレカケがたっぷり付いた若だった。

 この時期ホントに若が多いなあ。若と成鳥との割合は8:2くらいじゃないだろうか。
その先でもまた若オスが現れた。同じ若でも胸の模様は個体によってさまざまだ。しかしこれだけ若オスがいるってことは、数ヵ月後はここら辺は黒ヒゲばかりになるんだろうな。楽しみかも〜

そして最後に若(?)メスが寄って来たのを撮影して、結局この日はまともに黒ヒゲを撮れないまま時間切れとなった。

 でも今日はヤンバルクイナもばっちり撮れたしノグチゲラにも会えたので大満足だ。黒ヒゲのドアップは次回の課題という事にして宿に戻る。

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