帰り道で意外な豊作
   向かい風の中、バイパス沿いをひたすら走り続けたが、後ろから猛スピードで迫ってくる車に気を使うのも疲れてしまったので、適当なところでわき道にそれる。何処かのリゾートへ向かう道のようだが、バイパスを挟んで海側ならもしかしてうちらのホテルまで道が繋がっているかもしれないからね。
 
 バイパスをそれると車はほとんど走っておらず、風も弱まったようでとっても走りやすい。道端にはよさそうな水辺が点在している。このままホテルに着けるといいんだけどなあ。

 見上げた電線に止まっていたのはツバメかと思ったらモリツバメ。タイで見るのは初めてだ。

 リゾートホテルに着いたら行き止まりかも、と思っていた道は意外にもホテルの前を過ぎても結構続いていく。

 そして願いが通じたのか、ついにあの池のほとりに出た!ホテルまではあとちょっとだ!でもせっかくいっぱい自転車で走ってきたのにこのまま帰るのもちょっと物足りない気がするなあ。というわけでひーこにはもう少しだけ付き合ってもらって、昨日の池の裏側のさらに先に行ってみた。

 舗装が途切れダートになった道をさらに進んでいくと、左に入る道があったので行ってみると、草原の中に木が生えたサバンナのような風景が広がっていた。ここでちょっと一休みしようかね。


 と自転車を止めていると、ひーこが「アオショウビンみたいなのがいるよ〜」と教えてくれた、なんですと〜! ひーこが指差すほうを見ると、なんとそこにいたのはヤマショウビン!

こんな散歩のついでに出会えるなんて!ひーこえらい!良くみつけたぞ!
どうもここらへんはこいつの縄張りになっているようでうちらの周りから離れようとしない。
なんだか今までで一番近くでヤマショウビンを撮れる予感・・・明日の朝はロクヨン持ってリベンジ決定だな!


 ヤマショウビンの撮影に必死になっていると、ひーこが今度は「あれはアオショウビンじゃない〜?」と言うので指差すほうを見ると、ほんとにアオショウビン!しかも近い。でもあたふたしているうちに飛んでしまった。狩のようだ。
餌を採ったあとちょっと離れたところに止まったのを見ると大きなミミズを咥えていた。

 このミミズがショウビンたちをここにひきつけているのかもしれない。やっぱり明日の朝はここしか考えられないな。
しかし狙ったわけでもないのこの場所、大当たりだった。これもひーこさんの鳥運のおかげだろうか。感謝感謝♪

 これに気をよくしてそのまま森の中の道を突き進むが、最後は自転車に乗ったままの藪こぎをした後、ぼろぼろになって昨日の池のほとりに出た。ここに繋がってたのか〜。

 でも今の道はもう通りたくない。明日は素直に今日来た道をトーレスしよう。

予想外の成果に意気揚々と公園のなかを漕いでいくと、森の中を横切る猛禽が目に入った。
その後を目で追っていくと近くの木に止まったので探してみると、大型の猛禽が止まっていた。

 サシバかな?でももうちょっと精悍な感じだよな?と悩んでいると、そこに手で漕ぐリカンベントのような車椅子に乗った欧米系のバードウォッチャーがやってきた。彼はひざに乗せた双眼鏡と図鑑を代わる代わるながめながら、あれはここがこうだからこの鳥に違いない、と説明してくれた。

 結局なんて猛禽って言ってたかは忘れてしまったが、「ハンディキャップがあってもこうやってバードウォッチングができるんだ。」と感心してしまったのは覚えている。
パラリンピックに出ている人たちに希望を見出したり感動したりするのはこんな気分なんだろうか。

 このあと公園を後にすると程なくホテルに到着。結構走ったよなあ。ひーこはもうヘロヘロみたいだ。でも良く頑張ったよ。早く冷たいビールを飲もう!

 部屋に戻ってドアを開けるとたいきはちゃんと勉強中だった。バスローブを着てるのはリゾート感ってやつだろう(^^;

 まずは本日の収穫を並べてみる。なかなか暖かそうじゃないか〜。色が微妙だけどこの際暖かければ問題ないだろう。満足満足。さあケンカチャン、どこからでもかかってこい!明日からの本格鳥撮り生活が楽しみだ。

 予想外の自転車での激走ですっかり汗だくなので、シャワーを浴びてすっきりしてからバルコニーに出て甘露の一杯シンハをいただく。ただし残念ながらあまり冷えていなかったので、買い置きしてあった解けかけの氷を入れてタイ名物のアイスビールでキューっといただく。ん〜〜〜!うんまい〜〜!

 涼しい風に吹かれながらバルコニーの椅子に座ってのんびり外を眺めていると太陽がだいぶ西に傾いてきた。 これが2013年最後の夕暮れかぁ。

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