南の国で新年初撮り

  そして年が明け、2014年の元旦がやってきた。今年の新年鳥撮り第1弾はうまくいくだろうか。
 はやる気持ちを抑え切れず、まだ薄暗い中自転車を走らせて昨日のショウビンポイントへ向かった。

 昨日最初にヤマショウビンがいたあたりに差し掛かる。ここで自転車を降りて三脚にレンズをセット。ゆっくり歩き始める。すると前方の枝に今日もヤマショウビンの姿が見えた!だが警戒心が強いので、ろくに距離を詰められないまま飛ばれてしまう。このままだとまともな画像は無理そうだ。これが車だったらもうちょっと近くに寄れたんだけれどなあ・・・

 しばらく遠くのヤマショウビンを観察していると、道路を横切る小川周辺で餌をとっているのがわかった。そこで一度ヤマショウビンが居なくなった隙に小川の近くにあった切り株の山の影に隠れ、息を潜めて待つことにした。

 すると狙い通り、戻ってきたヤマショウビンは小川に飛び降りてミミズを捕まえると岸辺の枝に飛び乗った!これは近いぞ!ミミズを飲み込むのに夢中なヤマショウビンはこちらに気付いていないようだ。興奮しながらファインダーを覗きこむと、そこにはくっきりとヤマショウビンの姿が浮かび上がった。震える手でぶれない様に慎重にシャッターを切る!

 う〜ん幸せ〜。こんな近くでヤマショウビンを撮ったのは初めてだ。新年早々嬉しいぞ〜

やがて太陽が顔を出したが、2014年の初日の出は鳥撮りに夢中ですっかり見逃してしまった。
ヤマショウビンが飛び去った後、遠くの高い木に何かが止まったので見てみると、コウライウグイスだった。

コウライウグイスが飛び立ち、入れ替わるようにやってきた大き目の鳥は・・・
これはクロカッコウハヤブサ!?色もちょんまげのような姿も独特だ。
猛禽のわりにとってもつぶらな瞳をしている。
なにもいなそうなホテル周辺だと思っていたのに、
自転車でちょっと走っただけでこんなのが居るなんてビックリだ。
実はこの場所、結構な穴場なのかもしれない。

 そして再びヤマショウ登場、今度の獲物はずいぶん大きくて、この後嘴にグルグルに巻きつかれてしまい、
ヤマショウビンは飲み込むに飲み込めず目を白黒させていた。

 その隙にこっそりと接近を試みたのだが、こちらにかまっている余裕などなかったようで結果かなり近くまで寄らせてくれた。そしてやっとのことでミミズを飲み込み終えてホッっとしている所を一枚。背中の青がたまらないなー。こんなに近くでじっくりヤマショウビンを堪能できる機会なんてそうそうないだろう。その姿を瞼にもよーく焼き付けておかなくちゃ。

 と喜んでいたら背後に何かの気配が・・・そっと振り返ると、今度はアオショウビンが目の前に止まってるじゃないか!
 飛ばないように祈りながらゆっくり三脚と自分の位置を入れ替えると、まだアオショウビンはそこにいてくれた。焦る気持ちを抑えながらファインダーに入れてシャッターを切る!

 う〜ん。近い!やっぱりここはショウビンパラダイスだ。新年早々鳥運いいかも〜
 見ているとアオショウビンも地面にダイブしてミミズを採っていた、ここはミミズパラダイスでもあるみたいだ。 

この後アオショウビンが飛び去ったほうに行ってみると、いかにも鳥のいそうな池があった。小川はここと何処かをつなぐ水路みたいだ。ここいら辺はこういう池が多いから鳥もすみやすいのかもしれない。 

足元には黄色い蝶が止まっていた。モンキチョウのようだが太陽に透けて見える表側は黄色いツマベニチョウみたいな模様にみえる。羽を開いたらかなり綺麗そうだが、残念ながらこいつはずっと閉じたままだった。

続いて現れたのは昨日見かけたのと同じ種類と思われる猛禽。やっぱサシバかなあ?
それにしちゃかっこいい気がするんだけど・・・

ふりかえれば木の上のほうでミドリハチクイが羽繕いをしている。

森の中間層の枝から枝へ、尾羽を横に振りながら歩き回っているのはイワミセキレイだ。

コサメビタキはここでも健在。どこにでもいるよな

ヤマショウビンもちょっと遠くの木の枝に戻ってきた。今度はスズメガの幼虫を咥えているようだ。
ミミズは飽きちゃったのかな?しかしここは本当にヤマショウビンのあたり場所だなあ。

ヤマショウビンが森の奥に消えた後、大型のハトのような鳥が舞い降りてきた。これは・・・ハトの仲間?それにしちゃ足回りがごついし体格もしっかりしているよなあ?でもこのつぶらな瞳は・・・もしかしてハチクマ?

そうだハチクマだ。こいつも初めて見た鳥だ。
こんな風に次から次へと出てくる鳥に狂喜しているうちに時刻は8時半を過ぎていた。今日は11時にノンさんにピックアップに来てもらいケンカチャンに移動するので、そろそろ引き上げたほうがいいかも・・・

そんな僕を引き止めるようにふたたびアオショウビンが現れた。マジかよ、帰れないぞ・・・

もうたっぷり撮ったから餌でもとって何処かに行っておくれ、なんて気持ちが通じたのか、アオショウビンは地面に飛び降り何かを採ると、遠くの木立の中に隠れてしまった。

良かった良かった。これで安心して帰れる(^^;

さあ、それじゃホテルに戻ろう。ほんとに今朝は色々たっぷり撮れたなあ・・・とホクホク気分でチャリにまたがり、このポイントを後に走っていると、「 ギャギャッ ギャー」という悪魔のような声が空から降ってきた。
この声は・・・やはりインドブッポウソウ。しかしなんてひどい声なんだろ。と思いつつもその姿を探してしまう。

これでまたダイブタイムロスをしたが、木の上に止まる姿を見つけられた。2羽で喧嘩をしているようだ。

 もうちょっとしっかり撮りたい気もしたが、まだ朝ごはんも食べなきゃならないし、今日の所はここら辺にしておこう。午後からはまたたっぷり鳥撮りの時間があるんだから。

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