炸裂!鳥見宿
 迎えに来てくれたお姉さんは宿のお嬢さんのエックスさん。ちょいと太めだが眉毛がきりっとして凛々しい感じ。 さすがハイドのある鳥見宿に住んでるだけあって鳥が大好きみたいだ。それに英語もちゃんと通じる。

 話を聞くと今日のお客さんは僕だけのようだ。それじゃハイド貸切じゃん、ラッキー!
 ところで最近なにか珍しい鳥出てる?と言うと、待ってましたとばかりに自分のiphonを見せてくれた。そこに写ってたのはルリヤイロチョウ!こんなのいるの!?とびっくりして聞くと、彼女も長いことここに住んでいるがルリヤイロチョウを見たのは初めてだそうだ。3日前に出たらしいのだが、もしかしてその頃ってびあしんさんが滞在していた頃かな。いや、多分ここからチャアムに移動した後だ。惜しいところだなあ・・・

 まあルリヤイロチョウが見れる可能性はほとんどないだろうけど、僕としてはクロエリヒタキさえ撮れたら十分だよ。

 鳥話をしているうちに15分ほどで鳥見宿に到着。 ここは先にも書いたがびあしんさんがちょっと前まで滞在していた鳥見宿で、びあしんさんのお友達のよっしーさんが手配してくれた。明日からのケンカチャンのガイドもここを通してアレンジしてもらっている。ほんと、二人のお力添えがなかったら今回のタイ遠征はどうにもならなかっただろう。

 門を入ると中にはメルセデスのセダンとBMWのSUVが止まっていた。ここのハイドの利用料金は1日200Btととっても良心的な割りに中々儲かってるようだ。

 車を降りてオープンエアの食堂のような所に行くと老夫婦がにこやかに出迎えてくれた。それにひげのお兄さんと中国系の女の子も一人。お正月だから親戚があつまってるそうで、昼ごはんの最中だったようだ。そんなときにお邪魔しちゃって申し訳なかったな。

 食堂にはハイドからの様子が見えるモニターが設置してあり、ここにいながらにして鳥の動向を知ることもできる。

 機材を組み立て終えるとエックスさんがミネラルウォーターとバナナを持ってきてくれた。お腹が減ったらここのバナナいくらでも食べていいから、とのこと。それじゃお昼ご飯の代わりにさせてもらおう。

 準備ができたところでハイドに案内してもらう。母屋から歩いて20mほどのところにある常設ハイドが作られているのだ。トイレの場所も教えてくれて一安心。花に囲まれた中々居心地のよさそうなトイレだ。これなら一日中いても大丈夫だな。

 そしてこれがハイド。10人くらいは同時に入れそうだ。

 中には椅子が並んでいていてそこを囲うシートにはレンズを出す穴がところどころに開いている。場所を決めカメラをセット。さてどんな鳥が来るかな。ハイドの向こうには水場があり、鳥達は水浴びにやってくるのだ。

 それじゃまずはさっきもらったバナナで腹ごしらえ。お〜 なんて甘くておいしいんだ。やっぱり南国で食べる南国の果物は味が違うねえ・・・

 と感動していると何か小鳥がやってきた。ん!?なんか青っぽかった気がするぞ!どこに行った!?と軽くパニクりながらシートの切れ目から水場を見渡すと・・・・・おわ〜っ すぐ上の枝に憧れのクロエリヒタキが止まってるじゃないか!
 必死でファインダーに入れてシャッターを切る!

 サンコウチョウの目の周りのようななんともいえないパウダーブルーが薄暗い水場に浮かびあがる。綺麗だ〜

 と興奮覚めやらぬ中、次に現れたのはエボシヒヨドリ。普通種だがこいつもまた綺麗な色をしている。数羽の群れでやってきて、朗らかな声で鳴きながら水浴びをしていった。

 続いてまたヒヨドリ系のミミジロヒヨドリがやってきた。来て早々次から次へと鳥が出てきて大忙し。

 と、撮影に没頭しているとエックスさんがやってきた。
食堂のところにコノハドリが来ているので呼びにきてくれたんだそうだ。ありがとう〜

カメラを抱えて食堂に行くと横に立っている木にリスが止まっていた。これはこれでかわいいじゃないか。

 そしてその近くに鮮やかな緑色の鳥が飛んできた。お〜キビタイコノハドリ!これまためっちゃ綺麗だなあ!ここの人たちは見慣れているのか、あんまり気にしていないようだが、こっちは新鮮も新鮮。またまた大興奮だ。

そこにもう一羽、色の薄めの固体もやってきた。こんなのが2羽一緒にいるなんて贅沢な話だ。

 やがてキビタイコノハドリは飛んで行ってしまったので、行きがけの駄賃にバナナをもう1本もらってハイドに戻ると、こちらに来ていたのは同じキビタイでもキビタイヒヨドリ。桜の花の蜜を吸っているヒヨドリがこんな顔をしているときがあるな。

 何かが地面を歩いて近づいてくる。なんだろう?もしかしてPitta?と期待したが、現れたのはツパイ。こんなのも水飲みに来るんだなあ。耳がやけに人間っぽい。

 次に大群で現れたのはハイガシラチメドリ。なんだかラインナップが地味になってきたぞ・・・

 と気を抜いていたら、いきなり水場にドボンとクロエリヒタキが飛び込んだ。しかも今度のは全身真っ青のオスじゃないか。せっかくの滑らかな毛並みがびしょびしょボサボサ。飛び込む前に気づきたかった〜残念・・・

 とはいえこの全身まっ青っぷりはすばらしい。この鳥台湾にもいるそうだが、ならば西表あたりに来てもおかしくないよな。沖縄のジャングルでこんな色の鳥に出会ったら現実とは思えないだろうなあ・・・

 羽毛が乾くまではいて欲しかったクロエリヒタキだが、そのまま森の奥に帰っていってしまった。

そして再び地味モードに戻り、ムナフジチメドリ登場。さっきからハイドの裏側の地面もちょこちょこと歩いていたので手持ちの50-500mmで撮ろうと思ったのだが暗くてブレブレだったので、ロクヨンがセットしてある水場に出てきてくれるのを待っていたのだが、こいつも気が付いたら水浴び後のボサボサの姿になっていた。

 やかましい鳴き声とともに群れでやってきたのはヒヨドリくらいの大きさのヒメクビワガビチョウ。

よく見ると中々綺麗だが。ガビチョウと言う名前だけあって何処か悪役っぽい。

 そして奥の藪から再び何かが歩いてきた。今度はちょっと大きめだけれどなんだろう?と息を凝らして待っていると現れたのはアオアシミヤマテッケイ。丸々として美味しそうな鶉みたいなやつだ。

その奥をセキショクヤケイがちらちらと動いていたが、警戒心が強くこちらまでは出てきてくれなかった。

 と、その時いままでとは毛色の違う小鳥が降りてきた。何だこいつは?ヒメアオヒタキ系のメスかな?それともオスの若?背中がわずかに青みがかっている感じもするのでノドアカヒメアオヒタキの若オスかもしれない。こいつの成鳥に会いたいぞ〜

 そしてふたたびヒメクビワガビチョウ、かと思ったら顔の模様がちょっとだけ違うクビワガビチョウだった。虹彩の色が濃い分なんとなく性格がよさそうに見える。

 しかしなんだかここに来て地味なのばっかりになってきたなあ。ここはちょっと気分を入れ替えてここの敷地の中を探検してみようか。アオムネハチクイとかヨタカがいるときもあるらしいからな。

 ロクヨンを持っていくのはしんどいので50−500mm付きD7000を持ってハイドを出るとまず食堂に行ってみる。コノハドリでもいないかな?と思ったのだが、来ていたのはヒメクビワガビチョウ。

 食堂の横は広い芝生の広場になっていて、中々気持ちよさそうだ。こんなところに泊まって鳥撮りに肩まで浸るのも楽しいだろうなあ・・・

 芝生の広場の奥のほうへ行ってみると、一軒の小屋が建っていた、ここがびあしんさんの泊まったコテージのようだ。お湯が出なくて寒かったって言ってたな。その小屋の周りを「ジッ ジッ」と言いながら飛び回っていたのはオジロビタキ。

シキチョウも綺麗な声でさえずっていた。

あとは木の中でギャーギャー騒ぐミミジロヒヨドリがいたくらい。

こうなるとまたハイドの方が気になってきた。そろそろ戻ってみようか。

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