肩透かしのヨタカ
  さあ、それじゃ最後にヨタカポイントへよろしくね。とTinさんに頼み、ケンカチャンのダートを下ってゆく。ここから公園出口までは1時間くらいはかかるだろうからホテルに帰ったらもう6時を過ぎちゃうだろうなあ。と思いながら景色を眺めていると道路際の木に鮮やかな緑の鳥が!「STOP!」と車を止めてもらいカメラを構える。まだそこにいるぞ、ファインダーを覗き込むと、どうやらキンバトのようだ。なんか顔の部分が皮膚病みたいだが、羽毛の生え変わりの時期なのかな?

 少し葉っぱが被るので車をまえにだしてもらったら、キンバトは驚いて飛んでしまった。残念。でも被写体との距離じゃざっきのアオバトよかぜんぜん良かったなあ。

 そこからしばらく行ったところで今度はチャガシラハチクイ発見!急いで車を止めてもらいバックする。まだハチクイはその場にいてくれたので車の窓から撮影!なんか今日一番まともに撮れた鳥じゃないか?

 Tinさんに「こういうのが撮りたかったんだよ」と言って置く。明日の朝もまだ彼にガイドしてもらうんだから、ちょっとでも好みを知っておいてもらわないとね。この頃になるとTinさんとも片言の英語同士で少しだけコミュニケーションが撮れるようになってきて、ちょっとだけ気持ちも通じてきた感じがする。

 道の傾斜がゆるくなり道路が広くなってきたところで前方の地面に横たわるいくつもの物体を発見。

そっと近づいてみるとカササギサイチョウが砂浴び中だった。

 来る時は気付かなかったが、公園ゲートの手前には小さな池がいくつもあった。ここならカワセミ系がいるんじゃない?と聞くと、いるかもしれないという。じゃああんな山の上なんて行かないでここら辺で撮っていたほうが良かったかもしれないな。明日の朝はここら辺に来ようか、と提案するとそれがいいという事になった。なにせ明日の帰頭予定は午前10時、とっても山の上まで行ってる時間はないからな。

 これで明日の朝はちょっとは期待が持てそうな気がしてきた。そう思うと今まで凹み気味だった気分も上がってきてTinさんとのおしゃべりも乗ってきた結果、彼は実はMr.samaというバードガイドの運転手さんと言うことが判明。なんと、ガイドじゃなかったの?と聞くとなんか申し訳なさそうにしている。それじゃ鳥を探すのも難しいよなあ。
でも彼としては精一杯がんばってくれたんだろう、あの昼休みのおしゃべりは別として(^^;

 そしてこれから行くヨタカのポイントはそのMr.samaのやっているバードキャンプという宿泊施設の中にあるんだそうだ。昨日の鳥見宿みたいな感じなのかな?

 やがて車は公園のゲートを抜け一般道に出た。そしてしばらく走ったところにある広い芝生のある家に乗り入れた。ここがそのバードキャンプだそうだ。この何処かにヨタカポイントがあるんだな。

 車から降りると食堂から兵頭ユキに似たおばちゃんがやってきた。Tinさんは彼女に向かって何か話している。するとおばちゃんはこっちを向き。えらい巻き舌で早口の英語で「ヨタカが見たいんだって、じゃ今連れて来るから撮る準備をしておいて」と言って何処かに消えた。連れてくるってなんだ???と疑問に思いながらも三脚にロクヨンを装着し撮影準備完了。

 するとおばちゃんが大きな笊見たいなのを抱えてやってきた。そしてその笊をひっくり返すと・・・中からゴロリとヨタカが出てきたじゃないか。ヨタカってこれ???なんだかな〜〜〜

 一応撮影はしたもののなんだかな感はまったくぬぐえない。

 おばちゃんによると、羽に怪我をして落ちていたのをここでで飼っている犬が食べようと!していたので保護したそうだ。

 このめっちゃおしゃべりなおばちゃんはTinさんの奥さんだそうで、二人はMr.Samaの元で働いているんだそうだ。

次回来る時はここに泊るといい。いまMr.Samaは何処かに行っていていないのだが、彼はすごいガイドだから見たい鳥をきっと見せてくれるよ。と言いながら施設を色々案内してくれる。部屋はなかなかきれいそうで、一泊二食1500Bt。ここで鳥にどっぷり浸かる生活もいいよなあ。ちなみにベストシーズンは3月だそうだ。

 明日はどうするのか聞くので朝だけケンカチャンに行って10時に戻ってくると言ったら、そんな短い時間じゃ何も見れないよ、だったら知り合いのコクーン(?)を紹介してあげるからそこに行くといい。入場料はたったの200Btでいろんな鳥が見れるよ。ただ、うちのだんなは明日もガイドがあると思って車を借りてるから、彼にはちゃんと2000Bt払ってね。そしたら彼が朝ホテルに迎えに行くよ。ケンカチャンに行くんじゃないからそんなに早く出る必要はないだろう。朝6時に迎えに行くってことでいいね。とそのコクーンに電話をしてくれた。

 あまりの仕切りっぷりにあっけに取られていたが、コクーンってのはハイドのことらしい。それで入場料は200Bt・・・それってもしかして昨日の鳥見宿じゃね?

 しかしおばちゃんに押し切られ、なんだか翌日は鳥見宿に行く羽目になってしまった。でもあそこ送迎してもらったら100Btでいいはずだ。それを2000Bt?そりゃどうなんだよ・・・まあおばちゃんも僕のためを思って言ってくれてるんだろうから文句も言いづらいよな。それにもうあちらに電話で予約も入れてくれちゃったみたいだし・・・

 なんて釈然としていないうちにあたりはすっかり暗くなってきた。もう帰らなきゃ。

 おばちゃんにさよならを言って車に乗り込み、Tinさんにホテルまで送ってもらう。さっきまでは結構打ち解けていたと思ったのがだ、今のおばちゃんとのやり取りでなんだかぎこちない雰囲気が戻ってきてしまったようだ。

 そしてホテルに到着。明日の朝6時ピックアップの約束をして分かれると部屋に戻った。
 
 さて今日一日みんなはどうしてたかな?と様子を聞くとなにやら下の階に中坊グループが入ったらしくうるさくてもういやだ!とかなりお冠の様子。今は何処かに出かけたから静かだけど、めっちゃやかましいらしい。
そこでひーこがフロントに掛け合って、変わりの部屋をゆいしてもらったそうだ。部屋数が1つだけど今のスィートの部屋より格下になるのだがそれでもいいかといわれ、僕が帰って来るまで返事を保留していたそうなのだが、そんなだったら引越したほうがいいんじゃね?と言うことで、フロントにその旨伝えに言った。それでは荷物をまとめておいてくれたら夕食の間に引っ越しておいてくれると言うことになった。

 ついでに本来お昼くらいに注文しておかなければいけなかった晩御飯のメニューも選んでから一旦部屋に戻って荷造りをした。まあどうせ明日はチェックアウトだからちょうど良いか。

 荷物を片付け終わったら晩御飯だ。さっき注文したばっかりだから大丈夫かな、と思ったが、レストランに行ったら普通に席に通してくれた。今晩ここで食事をするお客は僕らだけのようで、真っ暗なテラスにろうそくがひとつだけ。なんだかさびしいなあ。

 まずはシンハを注文するが、なんだか今日は羽虫がえらい多い。明かりがここだけだから集中してるのかもしれない。誘蛾灯もついていないみたいだし。まあ良いや、とりあえずカンパーイ!

 しかし顔にもがんがん虫がぶつかってきて、このままじゃ食べてしまうの必至だ。たいきもひーこもびびりまくっている。これは席を室内に代えてもらうしかないか。 幸いこのレストランにはガラスに囲まれた「室内」があるのだ。
 ビールのお代わりも持ってきてくれたスタッフにお願いすると、英語がわからないようなので得意のジェスチャーを交えて意思を伝える努力をする。すると何とかわかってくれたようで、ビールとかはここにおいておいてくれたら運ぶから、見たいな感じの答えが返ってきた。それじゃ頼みますね。と今飲んでいるジョッキだけ抱えて室内に非難。

 室内は虫もいないで快適だ。しかしうちらは軟弱だよなあ。こんなんじゃジャングルで生きていけないぞ。別にジャングルに住む気もないけどね。

 そして料理が次々に運ばれてきた。今日もカレーのスープは人数分。それに中華風チャーハン、パッタイ、パイナップルチャーハンに炒め物の5種類がやってきた。昼のパッガバオ マイサイピッ以来何も食べていないのでお腹がぺこぺこだ。どれも美味そう、いっただっきま〜す!

 今日も美味しく全部頂きお腹いっぱいだ。ここは食べるものに関しては恵まれてるな。
で、今日は二人でなにしてたの?と聞くとバイクを借りてツーリングしてたんだそうだ。そりゃ楽しそうだねえ。
ケンカチャンのダムサイトまでいったそうで、画像を見せてもらったがちゃっかりインドブッポウソウなんか撮っていた。

 食後スタッフが新しい部屋の鍵を持ってきてくれた。荷物はもう運んであるそうだ。それじゃどんな部屋か見に行こうかね。とレストランを出ると、レセプションの前に一台のバイクが止まっていた。ひーこたちはこれを借りているそうだ。僕も乗りたいなあ・・・

 移動した部屋はレセプションのすぐ隣。3階建てのボートハウスの2階部分だ。1階の部屋の前には自転車が止めてある。サイクリングで来た人達が泊まっているのかな?さっきの中坊達も自転車で来ていたそうだが、タイは自転車がブームなんだろうか。

 ご迷惑にならないよう足音を忍ばせて階段を登り部屋に入ってみると、なんだかさっきの部屋より新しいし居心地よさそうだぞ。ベッドも2つあるし最初からこの部屋がよかったかも。

 バスルームもちゃんとしたバスタブがあ。窓もついていて居心地よさそう。広けりゃ良いってもんじゃないからな。

 新しい部屋に大満足し、バスタブにお湯を張ってゆっくりと浸かると寝酒のシンハを飲んでベッドに入る。ケースで買ったシンハもあと数本と大分心もとなくなってきたなあ。

 明日は6時出か、やっぱ鳥見宿にいくのかな。と、どうも釈然としないながらもあっという間に爆睡。

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