予定外のバンコクウォーカー
 とりあえず迷路のようなワット・ポーの敷地から脱出するとこれからの方針を考える。何も考えてなさそうだが・・・


 ぱっと見たところ、昼ごはんが食べられそうな所は屋台以外レストランなどは見あたらない。地図によるここからの最寄の鉄道の駅はMRTという地下鉄のフアラポーン駅で5kmほど。そこまでタクシーで行けば何かあるかな。ただ事前情報によるとここら辺のの道路は渋滞がはげしいらしく、結構かかりそうだ。渋滞が大嫌いな僕らにとっちゃあまりありがたくないなあ。

 それじゃこの際歩いて行っちゃうか。途中にレストランもあるかもしれないし、そこで休憩しながら行けば5kmくらい何とかなるんじゃね?と歩き始める。


 もう一度地図を見ると、ここからチャオレン・クルン通りというのをまっすぐ行けばフアラポーン駅に着くみたいだ。これなら迷う事もないだろう。

 でもどっちに行けばいいのかな?良くわからない。迷子になったら立ち直れそうもないから慎重に行かないと。

 周りを見渡すとちょっと離れた所に観光案内所みたいなところがあったので、そこでチャオレン・クルン通りへの行き方を聞くとこの横の通りがそれだそうだ、灯台下暗し、そしてなんか前途多難な予感(^^;

 でもここのところさえわかればもうこっちのもんだ。それじゃ改めて出発!

 歩き始めてすぐ川を渡った。吉、これは地図に載ってる。今のことろ間違ってはいないようだ。とはいえ歩き始めてまだ100m位だが・・・


 川を渡ると道端に有刺鉄線の塊が転がっていた。

それを見たひーこは「これってデモやってる所なんじゃない?」とビビッていた。見た感じ全然平和だけれどなあ。
それに今はデモもお正月休みだったんじゃなかったっけ?


 そこからは見当をつけた方向へできるだけまっすぐ進んでいく。


街角のディテールもすごくエキゾチックさを感じるな。ここはやっぱり日本じゃないんだ。
それをこんな風に現実感を持って感じていられるのは、歩いているからこそなんじゃないだろうか。
やっぱり街は歩きがいいな。渋滞しないし。


なにせちょっと大通りに出るとそこはもう大渋滞だから。
車が全然動かないので、その間を抜けて向こう側に渡るのも簡単なのだ。ただしバイクには注意、
細い隙間を縫ってがんがん走ってくるからね。


しかし狭くてカードレールもなくちょっと段差があるだけの歩道を、そのすぐ横を通っていく車に気を使いながら歩くのも疲れてきたのでちょっとわき道にそれてみた。こちらはあまり車も来ずのんびり歩けていい感じだ。


そして道はいつの間にか私有地のようなところに入り込んでいた。う〜ん、迷ってないよなあ・・・

ここは駐車場だったようで程なく大通りに出た。でもこの時点で確実にチャオレン・クルン通りは外れてしまっていた。
まあ方向さえ間違えなければ、最悪シーロム通りの端っこくらいには着くんじゃないかな。それにいざとなればタクシーとかトゥクトゥクを拾えばいいや、というのが心の支えになり足を前に進める。



やがて歩道はアーケードがつき少し広くなってきた、ただ路上にいろいろなものが置いてあるので非常に歩きにくい。

そしてそのアーケードはどんどん成長していき、ついにあたりは退廃した未来都市のダウンタウンのような様相に・・・
うちらはこのままどこに行ってしまうのだろう、ちょっと不安になってくる・・・

 しかしそれも終わり再び太陽の光を見ることができた。良かったよ〜。でももうどこを歩いているかは完全にわからなくなったぞ。何の目印もないし、後は感を信じて進むしかないだろう。もっとあっさり駅にいけると思っていたのになあ・・・

次に現れたのは歩行者天国?道路の両側に屋台が並び、地元と思われる人たちがワイワイがやがやと過ごしていた。
食べ物屋も色々あるけれど、ここで食べてトイレに行きたくなったら困るよな、と思うといまいち屋台には入り辛い。
お腹は減ってるんだけれどね。チャアムにあったような普通の食堂はバンコク市内にはないのかな。


そして歩行者天国は道幅は少し広くなり、周りはそのままで車も通るようになってきた。
歩道もないので歩くのは結構気を使う。


その後再び路肩には歩道ができたが、歩道というより食堂のようになっていて歩くのはかなり大変だ。

 そのうち周りに赤い看板が増えてきた。中華街だろうか。ならばうちらはなんとかゴールに向かって進んでいるようだ。
ただしここはさらに難易度が高い。路肩には商品が積み上げられ粗放はほとんどなくなっている上、そこに車が入ってくる。さらにその前方の道は工事中で車は迂回路に誘導されていて大渋滞だ。
 それにすごい人込みが加わり、もう人も車も大混雑。体を横にしてトラックの横をすり抜けでもしないと前に進めないくらいだ。これで車に乗ってる側だったら完全にお腹痛くなっていたな。歩いておいて良かったよ。


 そのまま進むと歩道は工事している場所から車道とは別れ、またもやダークな世界に突入。狭い通路沿いには客の足を食い止めるためのように商品が積みまくられている。ここは食べ物エリアのようだったので、今思えばなんか珍しい、というかゲテモノっぽいものでも探せばよかったと思うのだが、この時は人込みにうんざりして、ひたすら前に進むことしか考えていなかった。

こちらは雑貨エリアかな。旧正月のしょう食品をこれでもかってくらい売っている。こんなにいっぱいあっても売れるんだから、中華系の人が旧正月にかける情熱はすごいよなあ。

ここを抜けるとやっとダークゾーンを突破!
いや〜自分の周り1m以内に人がいないってのはこんなにいいもんなんだな。
何だか今までの疲れも吹き飛ぶようだ。

この近辺は車関係の店が集まっているようで、タイヤやマフラー、サスペンションから内装まで、
カー用品を並べた店と修理工場がずらっと並んでいた。
しかしワット・ポーからここまで、今泊まっているシーロムのような近代的なビルは皆無だったなあ。これがほんとのバンコクの姿なんだろう。覚えていないけれどきっと東京も30年前はこんなだったに違いない。

この道を歩いてゆくと、目の前に広々としたロータリーが現れた。

 こんな特殊な道はそうはないだろうと地図を探すと・・・あった!大分南に逸れてしまっていたようだが、何とか方向修正だけで駅につけそうだ。そしてMRTの駅はこちらとの看板が!
目指すゴールはもうちょっとだ、がんばろう!
駅へ向かう道は相変わらずの大渋滞。歩きでよかった〜と再び胸をなでおろすが、ここには思いがけないトラップが待っていた!なんと、歩道をバイクが爆走してくるのだ!こりゃあぶない。
車道が混んでいて擦り抜けられないと歩道に進入してくるようだが。
屋台の歩道側をカブが2ケツで走り抜けてゆくのだ。なんかめちゃくちゃだよなあ・・・

やがて道幅は一段と広くなりチラホラと近代的なビルが見えるようになってきた。

そしてついに前方にドーム型のフアラポーン駅が!やった〜歩ききったぞ〜
もう足はパンパン。精神的にも疲れきってしまった。でも何だか達成感があるなあ。
みんなも良くがんばったね!えらいぞ〜

お腹もペコペコだけど、ここまで来たらシーロムまで行ったほうが食べ物屋はいっぱいあるだろう。
それじゃMRTに乗ろうかね!

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