翌朝、4:00に目が覚めるがあたりはまだ真っ暗。
部屋の中は冷蔵庫のようで、電気毛布で温まった布団から出ると木の床も裸足で歩くのが辛いくらい冷たくなっていた。部屋の中だというのにヒートテック、フリース、ダウンのフル装備でいないと凍えてしまいそうだ。
トイレがまた寒いの何の。なんせ床はタイル敷きだし昨日のシャワーの水でちょっと濡れているので靴も必須だ。
なんだかんだと準備をして明るくなるのを待ちきれずに5:30に部屋を出た。なんせ鳥撮りできるのは多分今日一日、その中でも一番ドップリ鳥に没頭できるのはこの朝撮りだけだろうからね。
宿の周りはまだライトが欲しいくらいの明るさだ。しんと冷えた空気に気持ちがひきしまる。鳥の声はまだあまり聞こえない。
車に乗り込むと左ハンドルに緊張しつつ薄暗い中を出発、目指すはukiukivideoさんに教えてもらった ミカドキジとタカサゴマシコのポイントだ。 お約束のワイパーを動かしつつ右側通行に神経を集中し、 ポイントに着くころにはなんとか1秒より早いシャッタースピードが出るくらいの明るさになってきた。
さて、どんな鳥が出てくるだろう。カメラをセットして様子をうかがっていると、針葉樹の樹幹を移動するカラ類の声が
聞こえてきた。しかし樹冠にいるようで良く見えない。そしてまず姿を現したのはタイワンリス。
気が付くとかなりの数のタイワンリスが周りを走り回って餌を食べている。それに混じってシマリスの姿も見える。
こちらのほうが小さくてかわいいけれど、出来たら鳥が良いなあ・・・ 朝食は8:00までに食堂に行かなくてはならないので持ち時間はあと2時間弱。 このままリスしか出なかったらどうしよう・・・
とやきもきしていたら、山側の斜面が騒がしくなってきた。大きめの鳥が薮の中を移動してきたようだ。
そして姿を現したのがキンバネホイビイ!これ台湾に来たら見たかったんだ!風切羽の色がなんとも綺麗だなあ・・・そそして別の場所からもキンバネホイビイが現れた! そして次から次へとキンバネホイビイ、というかキンバネホイビイしかいないのだが・・・
動きもガビチョウっぽさ満点であまり有り難味を感じなくなりあっという間に普通種だ(^^; 何か他の鳥はいないのか?このままじゃ朝撮りはキンバネホイビイだけで終わっちゃうぞ・・・と焦りだしたころ、俊敏な動きの黒っぽい小鳥が登場!おお、あれは憧れのアリサンヒタキじゃないか?!!! あわててファインダーに入れシャッターを切る。
お〜ほんとにアリサンヒタキだぁ〜。こいつに会いたかったんだよ!綺麗だ〜。うれし〜!
しかしキンバネホイビイと比べるとかなり動きの早いアリサンヒタキ、すぐに森の奥へ飛んでいってしまった。
そして再びキンバネホイビイ。
そこへ地元バーダーのカップルがやってきた。昨日の晩に食堂で見かけた顔だ。
挨拶をすると台湾語がド〜〜っと返ってきたが何を言ってるかもう全然分からない。
それでもなんとか意思の疎通をしようとモニターに再生しながら撮った鳥を見せると、
男性のほうも自分のデジカメを再生して今朝の成果を見せてくれた。
今まで宿の周りで撮っていたようで、小型の鹿キョンやミソサザイが撮れたようだ。
そのうち路肩の苔むした岩の間を大きな鳥が歩いてくるのが目に入った。慌ててみんなで撮影体制に入る。
そして現れたのはサンケイのメス。じっとしているとだんだん近づいてきた。
おかげで間近でたっぷり見ることができた。ミカドキジじゃないのはちょっと残念だったが、 これもはじめて見る鳥だしとても嬉しい。でもオスだったらもっと嬉しかった(^^;
そその後再びアリサンヒタキ登場!しかも今度はかなり近くまでやってきてくれた!
僕はキジ系よりやっぱり小鳥が好きだなあ。う〜ん、ドアップ嬉しい〜
この出会いのおかげでこの日の朝撮りはもう撮れ高十分な気分。
もし今日この後がまったくダメだったとしてもアリサンヒタキをちゃんと撮れたからまあいいよな。
タカサゴマシコは残念だったけれど最近撮鳥運よくないからこんなもんかもしれない。
それに朝食後もうちょっと標高の高い所に行ったらそこで会える可能性もなくはないしね。
というわけで朝撮りタイムリミットも迫ってきたので最後に2羽並びのキンバネホイビイを撮って、
カップルに挨拶をしてから宿に戻る。これにて朝撮り終了だ。
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