トラックで荒野へ向かえ

約束の午後3時、通りに出ると本部の前にトラックが待っていた。
荷台にはベンチがしつらえてあってまさにサファリって感じ。
三脚を足元に置き、レンズとカメラはしっかり抱えて準備完了。

Thang君もレンズに異常はなかったようでちょっと元気が出たみたい。
それじゃまだ見ぬ土地へ向けて出発だ!b0166975_00534782.jpg
向かうのは今朝とは逆の方向。
あっという間にカッショクコクジャクのポイントを通り過ぎ、本部エリアがどんどん遠くなる。
やっぱり車の機動力ってのは大したもんだ。

間もなく舗装が途切れ道はフラットダートになった。
最初は鳥を探して必死になっていたがトラックのエンジン音が大きいのと、
中々の激しい揺れからレンズを守るのに忙しくなってしまい、そんな余裕はなくなってきた。

走り始めて10分ほど、あたりは草原地帯に変る。Cattienにもこんな所があったとはねえ。

川を渡ったこちら側は歩いて回れる程度のジャングルエリアしかないと思っていたのだが
思っていたより全然広いようだ。Thang君によると、マクジャクはこういう草原の上を飛ぶ事もあるらしい。
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やがて前方に森が見えてきた。
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風に吹かれていたとはいえ直射日光に照らされ続けてきたので木陰に入ると涼しくて気持ちいい。
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と、ここでトラックは停車。どうやら鳥ポイントのようだ。

エンジンを切りThang君がコールバックをすると、けたたましい声が返ってきた。

それと共に森の中を鳥の群れがガサガサと移動してくる。
かなり大きな群れだが木々の中を常に動き続けているので中々ファインダーに捉えることができずもどかしい。
そしてやっとの事で捉えた姿はハクオウチョウ。

何とか撮ろうと頑張ってみるが、どいつもうまい事葉っぱや枝に隠れながら動くので中々シャッターチャンスがない。
さらにトラックの荷台には三脚を広げる余裕がなく手持ちでの撮影なので、手がプルプルして難しさ倍増だ。
結局群れは何度か行ったり来たりしてくれたのに撮れたのは証拠写真のみ。くやしい〜b0166975_00541317.jpg
まあ今回のメインはマクジャク。ここであまり時間をとるわけにも行かないので先に進もう。

森を抜け再び草原地帯に入ると道の先に鶏っぽいのが現れトラックが急停止。
もしかしてマクジャク!?と思ったがセキショクヤケイのメスみたい。
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そしてとある十字路に差し掛かった時、交差している道の奥を何気なく覗くと、そこにいたのは紛れもなくマクジャク!
だがトラックはそのまま通り過ぎてしまい、Thang君があわててドライバーに止まるよう叫んだ。

 そしてゆっくりバックして十字路に戻っていくとまだそこにはマクジャクが!!!
しかしあわててカメラを構えると向こうもあわてて薮の中に飛び込んでしまい撮影ならず!

もしかしてまた出てくるかもとしばらくそこで待ってみるものの、出てきてくれたのは奥の民家で飼っている鶏だけ。
まああんな神々しい姿のマクジャクだ、そんな何度も姿をあらわすわけないよな。

それじゃ次のチャンスに掛けて先に進もう。今度はいつでも止まれるようにトラックのスピードもゆっくりだ。

しばらく行くと草原の中に生えた潅木の周りで飛び交う2羽の鳥を発見し、車は急停車。

薮の中でもつれ合うように戦っていたが、見ていると一羽が逃げ出し
それを追うようにもう一羽も木の中から飛び出した。あの赤茶色と黒の羽の色はオオバンケン?b0166975_22221013.jpg
と思ったら、前回もうちょっとビシっと撮りたいと思っていたカンムリカッコウ(Chestnut-winged Cuckoo)じゃないか!


2羽は激しく追いかけあい中々落ち着かない。こっちにきてくれ〜
やがてバトルが一段落すると、その思いが通じたのか一羽が近くに止まってくれた。
荷台からの手持ちでフレーミングもおぼつかなかったが何とか根性で撮影!b0166975_00542103.jpg
やった〜、前回よりまともに撮れた。カンムリカッコウ撮影大成功だ!
いやー良かったねえ、とThang君とハイファイブ。

しかしメインターゲットのマクジャクはその先でも出てきてはくれなかった。
そしてそろそろ時間切れ。車は来た道を引き返し始めた。
今回はカンムリカッコウが撮れたからそれで良しとするしかないかな
う〜ん、不完全燃焼だけど、相手は野生生物だからしょうがないよなあ。

と少々がっかりしつつさっきのマクジャクの居た十字路を通り過ぎる時ふと見てみるとあの
マクジャクがまた戻ってきているじゃないか!
再び車は急停車。そしてあわててカメラを向けるがマクジャクはあっという間に薮の中に・・・
しかしここはもうマクジャク大好きポイントに確定じゃないか?

これは待機するしかないね、ということで車をちょっと先に停め、十字路まで三脚を担いで歩いて戻る事にした。
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十字路に着き横道の方をそっと覗き込むがマクジャクの姿はない。
まあ今逃げて行ったばかりだからそこまで大らかじゃないだろう。
十字路の一方におあつらえ向きに看板が建っていたので、この陰に隠れて待つことにしよう。
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もうすっかり夕方、残り時間もあと30分位だろう。それまでにマクジャク出て来てくれるだろうか・・・

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