昨夜寝ているとテラスから「ガリガリガリ」と何かを引き剥がすようなすごい音がして着てちょっとビビッてしまったのだが、
朝起きてみてみるとそこには何かの糞が落ちていた。よく見ると獣の足跡と葉っぱ虫の残骸も。
モーさんに聞いたら多分シベットが来ていたのだろうとのこと。正体が分かってちょっと安心した。
さてタビン2日目。いよいよ最大の目的ズアオヤイロチョウ探しだ。集合時間の朝6時半、張り切って集合場所のレセプションに降りていくと車の準備がまだ整っていなかった。待っている間モーさんと一緒にリゾートの前のウッドデッキから
もしかしているかもしれないと言うアオムネカワセミを探してみたが気配なし。まあ鳥運は本命のために取って置かないとね。
やがて準備も出来たところでサファリカーに乗り込み出発!
セーフティーゲートから、今日は右側に向かう。昨日歩いて通った橋の所に来るとアオメモリチメドリ登場。
地味なチメドリ系だが、その名の通り目の周りの青が中々綺麗だ。
そこから先、二股に分かれた道をマッドボルケーノ方面へ向かう。すると今度はウォーレスクマタカが止まっているのを発見。
その先にはkingfisher hideと言うのがあったのだが、ハイドから見える池にはちゃんとコウハシショウビンが居た。
さらにその先ではアズキヒロハシも登場!自分的にはナカナカの大物連発でPittaへの期待も高まるというもんだ。
そして車はマッドボルケーノトレイルの入り口に到着。ここからは歩いて森の中に入る。
地面はドロドロで長靴必須だが、やっとジャングルっぽい所に来たなあって感じ。
ただ肝心のヤイロチョウは反応がない。
モーさんも一生懸命コールバックしたり探したりしてくれるがどうも今日は調子が悪いみたい。
結局ヤイロチョウの声さえ聞けないままマッドボルケーノに着いてしまった。
意気消沈気味のモーさん、また午後探しに来ようって言っている。それにまだ明日もあるしね。
ズアオヤイロチョウ、そう簡単に会えるなんて思ってないから大丈夫!
それじゃウォッチングタワーに登ってオナガサイチョウを探してみることにしよう。
ロクヨンを担いで登るのはしんどいのでオリンパスセットだけ持って行ったのだが
それでも一番上に着く頃には息も絶え絶え。しばらくすると僕らの後をモーさんもハアハア言いながら登ってきた。
僕らもうちょっと痩せた方が良いね(^^;
さて新たなターゲットのオナガヤイロチョウ、遠くから鳴き声は聞こえるものの近づいてくる様子はない。
それでも高い所から樹冠を見下ろすと色々な鳥が見つかる。
一番多かったのがアカメチャイロヒヨ
キゴシタイヨウチョウは小さいので距離があると中々難しいが、何とか証拠写真。
もう一種小さいの、キゴシハナドリモドキも出てくれたが
やっぱりチョイ遠すぎ。ロクヨン持ってくるべきだったかなあ。
ひーこさんは途中で飽きてきて、マッドボルケーノの偵察に行ってしまった。
ここは地面から泥が湧き出している場所で温泉みたいなものらしい。。
このエリアに動物がミネラル分を舐めに来るそうで、ここで一泊しながら夜間観察をするこのも出来るというが、
あんまり泊まりたくはないな。タワーの下にはトイレも設置されていたが残念ながらこの日は鍵がかかっていた。
今日はお腹大丈夫で良かったよ(^^;
僕らはタワーの上で鳥撮り続行。
クリムネバンケンモドキが開けた所に出てきてくれたので大喜びで撮影していると
モーさんが「ヤイロチョウの声がする!」と言い出した。
でもきっと森の奥で鳴いてて見ることなんて出来ないんだろうな、と諦め気分でいると
モーさんは「すぐ下に降りよう!」と少々焦り気味。
えっ?そんな?
こちらも焦って大慌てで下に降りる。
僕には良く分からなかったのだが、モーさんは確実にズアオヤイロチョウの声を認識しているようだ。
「まだ鳴いてるよ!」と言いつつ森の中に入って行く。
マッドボルケーノから20mくらい森の中に入ったところでモーさんはコールバック。すると森の中から同じ声が返ってきた。
こっちを向いてニカっと笑うモーさん。近くに居るんだ!僕も期待でいっぱいのまなざしを返す。
モーさんの「多分あそこらへんに出てくると思う」と言う指示に従いここぞと思われるあたりの三脚をセット。
そして再びコールバック。声はすぐに返ってきた!完全に反応してる!
緊張感いっぱいでカメラを構えじっと待つこと数分、その瞬間は突然訪れた!
森の中から目の覚めるような青が15mほど先の横枝に飛んできたのだ!
うぉ〜〜〜ズアオヤイロだあああ〜〜〜
と言う心の声を必至に押さえ、
そっとレンズを動かしファインダーにいれると手の震えを押さえ・・・レリーズ!
やった〜〜〜!ついに撮れた!
憧れのズアオヤイロチョウ!
ここからは至福の時間の始まりだ。
しばらく様子を伺っていたズアオヤイロチョウ、
コールバックに反応してちょっと近くに飛んできて
そこで鳴き始めたのだ!
おお〜!すばらしい頭の青!背中の赤も綺麗だ〜!
足が見えないのと一本枝被りがちと残念だけどこれだけ撮れたら十分
と思っていたら、さらに近くのいい丸太の上に飛び移ったじゃないか!
ちょっと前に葉っぱ被りがあるけど肉眼でも毛並みが見える!
そして最終的にはここに止まって欲しい!と思ってた枝に飛び乗ってくれた!
ここではかなり長いこと鳴き続けてくれたので、時折撮影の手を休めじっくり眺める余裕も。
ファインダー越しじゃなく肉眼でみても森の中に浮き上がるように輝く姿・・・
なんて綺麗なんだろう、ため息が出てしまう。
満足行くまでじっくり向き合わせてもらった後、ズアオヤイロチョウは森の中に消えて行った。
その間10分ほどだったろうか。このボルネオ遠征の8日間がぎゅっと凝縮された時間だった。
ほんと幸せ・・・
ヤイロチョウが居なくなったあとはモーさんとハイタッチ!
モーさん本当にありがとう〜と言うと、モーさんもニコニコだった。
これで今回の一番の目標は達成。
満足感と幸福感いっぱいの帰り道には綺麗な夏空が広がっていた。
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